大病院の売店で売られていた本とは?
近くにある大きめの病院にちょっとでかけて来た。 大きめの病院というと、わたしの印象では、初回診てもらうためにまず紹介状の有無を問いただされる(最近、新聞を頻繁ににぎわしている某大学病院では、紹介状なしで行ったら看護婦にきつく叱られたことも・・・)、やたらに患者が並んでいて診てもらうまでに平気で1、2時間くらいかかったりするというものだった。 今回に至っては、その上、病院の周囲を車が取り巻き、病院の駐車場に入るためだけに、数十分を要する羽目に・・・。 これじゃあ、それだけで病状が悪化する可能性も。
それは、ともかく、病院の中でも、予想通りにもろもろ待ち時間が非常に長かったので、本を読んだり、売店に出かけたりした。 売店で見かけた中で、特に目を引いた本が、精神病院の患者の語る言葉という体裁で書かれた芥川龍之介の『河童』。 ちなみに、この病院にはメンタルヘルス系の科もあるのだが。いいのか?・・・。
それから、日木流奈著、『ひとが否定されないルール -- 妹ソマにのこしたい世界』、講談社、2002年(正確には、2003年に出たこの本の講談社+α文庫版)・・・。
これは、NHKで放送された「奇跡の詩人」で話題になった、日木流奈の著書である。 この番組では、欧米の疑似科学系のページでは前から有名だったFC(ファシリテイテッド・コミュニケーション)というコミュニケーション・テクニック(参考: Skeptic's DictionaryよりFacilitated Communication (FC)他)と、ドーマン法という治療法が取り上げられていた。 これらの効果には疑問がもたれており、またコスト面でも非常にばかにならない(参考: 滝本太郎、石井謙一郎編著、『異議あり!「奇跡の詩人」』、同時代社、2002年。「NHKスペシャル「奇跡の詩人」 〜日木流奈くんについて〜」、NHKスペシャル『奇跡の詩人』映像サイト、NHKスペシャル「奇跡の詩人」関連リンク集など。またポール・パーク著、「ブレイクスルー(原題: "The Breakthrough" 1995年作品)」、S-Fマガジン 2003年6月号、早川書房という短い小説もある)。
大病院の売店という、何よりも我が子のことを真剣に思う親の手の届きやすいところで、売られているのはどうなの。
ちなみに、わたしが日木流奈をはじめてメディアで見たのは、ごま書房が1999年前後に出していた秋山眞人の「SP精神世界」という、精神世界系の雑誌だった。 「奇跡の詩人」に関して、批判が集まったときにも、精神世界系の掲示板では、「日木流奈くんのことがわからない意識のレベルの低いかわいそうな連中が批判しており、大変に悲しいことだ」「いつかは日木流奈くんのことが理解される」的な書き込みが見られたこともここに記しておこう。 うーん、・・・。
話は変わるが、大原美術館で購入した、棟方志功の「御群鯉図」(1943年作)のポストカードを、額を模したフォトフレームに入れて、机の前に飾っている。
「御群鯉図」は、棟方志功が、おつきあいの深かった大原氏のためにふすまに描いた、鮮やかで繊細な美しい鯉たちの絵。 見ていると、気持ちが安らぐ。
とは言え、ポストカードをそのままフォトフレームに入れるといまいちなので、マットを入れようと探してみたら、Photo Gallery Internationlさんで「ブックマットの制作」を発見。 マットカッターが欲しくなる。
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