夢使い 6
植芝理一著、『夢使い』6巻、講談社 アフタヌーンKC、2004年を読む。
植芝理一は、不思議な力を持った正体不明の男の子を好きになった女の子の視点を通じて、人を好きになることや生と死などのテーマを、オカルティックに、おたくっぽく、ちょっとエッチに描いたコミック『ディスコミュニケーション』が代表作。 今作の『夢使い』は、不思議な事件を「夢使い」たちが解決するというストーリー。 『ディスコミュニケーション』に比べると、おたく度やエッチ度がかなり高かったが、描いているテーマは昔から一貫していて変わっていない。
ところで、『夢使い』は、使われていない伏線や明かされていない謎などを残したまま、この6巻でいきなり最終回をむかえている。 読んで、呆然としたのだが、納得するところもあった。 描いているテーマは一貫していると書いたが、それは端的に言えば、エロスとタナトスという大きな物語だ。 そして、それは前作『ディスコミュニケーション』で、既にたくさん描いてしまっているからだ。 このような大きなテーマで、話を何度も描くのは、過剰さで味付けをしても、大変そうな気がする。
作者の全く新しい次回作を気長に待ちたい。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント