スタイルシート スタイルブック
有坂陽子、長谷川恭久著、『スタイルシート スタイルブック』、翔泳社、2004年を買う。
世の中にはWebデザインの本はいろいろあるけれど、その本自体や、載っているページのデザインがクールではないことがけっこうある。 書店で実際に本の中を見てみて、デザインにひかれて欲しいなあと思わされることは少ないが、本書はそんなめずらしい例の一つだった。
本書は、どちらかというと「全くのCSS初心者」向きではなく、「これからもっとうまくCSSを使いたいと思っている人」向きの本だ。 たとえば、最初の「STYLE BOOK編」では、いろいろとクールでCSSを活用している実際のページを例にあげて、CSSの使い方を紹介しているが、これはCSSに関する簡単な知識がないと理解できない。 そして、CSSに関して、ある程度解説されているのは、本書の後半だ。 ここは最初に、「へえーこんなことができるんだ」と理解した上で、読み通してから戻ると役に立つ。 また、本書では、世界的な動向に関しても解説されていて、とても参考になった。
本書で取り上げられているテーマは、現在のWeb制作において、ポイントになる課題だと思う。 つまり、美しくマネージメントしやすいページを作りたいし、できれば仕様も尊重したい。 でも、ページはできるだけたくさんの人に見てもらいたいし、昔ながらのブラウザを使っている人もわずかだが、確実にいる。 この2つの両立は、極端な話、自分のページだったら、あまり気にしなくてもいいけれど、仕事でやる場合とか、組織とか団体のページになると別だ。
本書で解説されているJeffery Zeldman提唱の「ハイブリットデザイン」の方法は、基本的な骨組みをテーブルで作り、他のデザインの要素はできるだけCSSを使うというものだ。 わたしも以前にある団体のページを制作した際に、これととても近い方針をとったことがある。 そのときには、試行錯誤しながら、デザインのあれこれを一人でいろいろと悩んだが、そういったことが本書の「実践編」ではクリアに書かれていて、多少すっきりした気持ちになれた。
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