栞と紙魚子 何かが街にやって来る
諸星大二郎著、『栞と紙魚子 何かが街にやって来る』、朝日ソノラマ、2004年を読む。 隔月刊の不思議系少女コミック誌「ネムキ」の2001年11月号〜2003年9月号までに掲載された作品が収録されている。
これは、奇怪な連中が普通の人間と同居している胃の頭町を舞台に、天然ボケの栞と古本好きな眼鏡っ子・紙魚子の女子高生コンビの周囲に起こる変な出来事を描いた作品だ。 諸星大二郎の作品は、異界の怖さや凄さを描いたものが多いが、この《栞と紙魚子》シリーズは全然怖くない。 何か凄いことが起こっても、話が終わってみると、この作品の主人公クラスの連中は、全く堪えることがない。 次の話になると、ケロリとしている。 題材にしているのは、クトゥルーやかつての自分の作品で取り上げたようなものたちだが、この作品ではそれがコミカルに描かれていて、とても不思議な感じをかもしだしている。
なんとなく、この巻を読んでいて、2003年秋放映のドラマ『TRICK -- Troisième partie』と一部ネタがかぶるような印象を受けた。 偶然なのだろうけれど。
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