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2004.02.07

式神の城II 陽の巻/陰の巻

海法紀光著、『式神の城II 陽の巻』および『式神の城II 陰の巻』、ファミ通文庫、2003年を読む。 これは、前々回取り上げたシューティング・ゲーム『式神の城II』を原作とした小説である。 海法紀光と言えば、テーブルトークRPGやアメコミの翻訳などが記憶に残るが、最近は、ゲームのノベライズの仕事も増えてきたようだ。

この『式神の城II』の陽の巻と陰の巻は、ゲームの『式神の城』を原作としつつ、ゲームでは描かれていない部分をうまく補っていると、わたしには感じられた。 ゲーム《式神の城》シリーズの魅力は、ゲームそのものだけではなく、それを支えるキャラクターや「物語」の占める割合も高いので、これは重要だと思う。 陽の巻では、主人公(?)である悪をぶっとばす青年探偵・玖珂光太郎と人類の決戦存在だった・結城小夜を中心に物語を描き、陰の巻では、それをとりまくキャラクターたちの視点から物語を描いている。 この2巻構成は、非常に精緻で芸術的にとまでは言いがたいものの、結構バランスよく描かれていると思う。 個人的には、どちらかというと、陰の巻の方がおもしろかった。

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