« セラピーと新宗教と | トップページ | 月別のバックナンバーとカレンダーとMTとTypePad? »

2004.03.16

タオ・オブ・オブジェクト

Gary Entsminger著、吉田弘一郎訳、『タオ・オブ・オブジェクト -- オブジェクト指向への東洋的アプローチ』、技術評論社、1992年を読む。

これは、オブジェクト指向プログラミングを、老子やフィリッチョフ・カプラの『タオ自然学 -- 現代物理学の先端から「東洋の世紀」がはじまる』(吉福伸逸、田中三彦、島田裕巳、中山直子訳、工作舎、1979年)を引用しながら解説した本だ。 原書は1991年に出版されており、当然、当時はデザイン・パターン(1995年)、Java(1995年)、UML(ver. 0.9 1996年)はまだなく、中の例は(Turbo)C++とTurbo Pascalで書かれている。

わたしは、この本を、出版された当時に購入し、以来、何度か読もうと試みたが、その度に挫折して、今日に至っていた。 特にオブジェクト指向でプログラムを書かなければならないような状況になかったので、特にそれで困ることもなかった。 そんな本だったが、この間(その1その2)取り上げた『オブジェクト脳のつくり方』『やさしいJava第2版』などを読んでから、この本を読んでみると、きちんと読み進めることができるようになっていることに気づいた。 また、なぜ、当時、読めなかったのかもよくわかった。

この本では、まず口上が長い。 それから、その後でプログラムが示されているが、とにかく雛形になるクラスばかり一生懸命紹介している。 クラスは抽象的なところからはじめて、だんだん具体的なところに向けて仕様を決めて書いていくので、確かに最初の設計の部分も重要だろう。 でも、プログラムは、どこかできちんと動くものとして完成させなければならない。 その実際にきちんと動くプログラムが載っているのは、この本ではいきなり章末で、それはかなり唐突だ。 つまり、オブジェクト指向というよくわからないものと、C++という当時は知らなかったプログラミング言語の組み合わせを、さわりと最後の結論が書かれた本で学ぼうとしたわけで、それはかなりチャレンジングだったというわけだ。 載っている例は、カオス、エキスパート・システム、ニューラルネットなどだが、当時としてはかっこいい例だったのだろうけれど、これも果たして例として適切なのか、またプログラムの実装も適切なのかどうなのか、なんとも・・・。

今となっては、もう昔の本(原書はその後、Delphi版も出たらしいが)という感じがする。 敢えて読むのは、酔狂なんだろうなあと思う。

|

« セラピーと新宗教と | トップページ | 月別のバックナンバーとカレンダーとMTとTypePad? »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/11321/305145

この記事へのトラックバック一覧です: タオ・オブ・オブジェクト:

« セラピーと新宗教と | トップページ | 月別のバックナンバーとカレンダーとMTとTypePad? »