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2004.03.06

さべあのま全集

メディアファクトリーのMF文庫で12月から毎月1冊ずつ刊行されている《さべあのま全集》の1〜4巻を買う。

さべあ のまというと、個人的には『LIGHT BLUE PAGE』(奇想天外社、1980年)や『懐かしい贈りもの』(新潮社、1990年)を読んだときのことが忘れられない。 アメリカのコミックっぽさと、日本の1980〜90年代の少女マンガっぽさを持った絵柄で、夢を描きながらも、現実も忘れない作品が好きだった。

わたしが、最初にさべあのまの作品にふれたのは、知り合いの人が処分しようとした大量の本を選り分けていたときだ。 その人は、人生に迷っていた。 自分がどうしたいのか、どうすればいいのか、そう悩みながら、いろいろと試行錯誤していた。 他の仲間たちは、なんとなく大学で学び、そつなく進級して、卒業していった。 たぶん、その人は、そんな生き方に疑問を持ってしまったのだろう。 と同時に、プライドや怠惰や非力さも手伝って、煮詰まるところまで煮詰まってしまっていたのだ。 すべてをあきらめて故郷に帰るその人が、置いていった数々の名作は、やさしくて、苦い作品が多かった。

わたしは、かつてのそんなやりきれない気持ちを思い出しながら、さべあのまの作品を今読んでいる。

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