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2004.04.01

職業としての学問

マックス・ウェーバー著、尾高邦雄訳、『職業としての学問』、岩波文庫、1936年(1980年改訳)を読む。 これは、ウェーバーが学生に対して1919年にミュンヘンで語ったものをおこした文章である。 ちなみに、ウェーバーはこの翌年に肺炎で亡くなっている。

この本は、大学のときに、レポートか何かの課題で一度読んだことがあった。 しかし、今回読み返してみて、改めて含蓄の深さを知った。 以前の知識や問題意識では、読み取れないようなことをウェーバーはたくさん語っていた。 特に、近代化によって、世界が魔術の呪縛から解放されつつあるのであるという強い姿勢は、今回特に印象に残った。 そして、ウェーバーはこの講演の中で、大学に「体験」を求め、教師に「指導者」を求める当時の青年たちを敢然と情熱的に批判してみせる。 ウェーバーは、この後のドイツのナチスや、今日の宗教を取り巻く事情をもちろん知らない。 そして、それらのことを経験してきたわたしたちには、彼の批判がなおさらに心に響くのかもしれない。

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