感覚情報処理
Ph. D. 安井湘三編著、『感覚情報処理』、コロナ社、2004年を買う。
この本は、日本エム・イー学会編のME教科書シリーズの一冊である。 「エム・イーって何?」と思って、日本エム・イー学会ページを見ると、いろいろと名称に関して長い説明がある。 でも、英語名を見れば、"Japan Society of Medical Electronics and Biological Engineering"ということで、医療系の電子工学と生物工学に関する学会だと理解できる。
本書を買ったのは、「色」の勉強をしようと思ってのことだ。 早速、九州工業大学の古川徹生氏による第二章「視覚」を読んでみた。 結論を言えば、色覚に関してはたくさん紙幅が割かれていたわけではなかった。 しかし、色の教科書にはあまり書かれていない、人間の視覚の全貌が簡潔に書かれており、非常に刺激的だった。 色覚に関しては、色を感じる3種類の錐体の話が、単純化されたモデルで明確に説明されていた。 普通、色の本では、これはややこしく書かれていて、その本質について本書ほど明確には書かれていない。
また、本書には、聴覚、味覚と嗅覚、皮膚感覚と深部感覚、平衡感覚などについても書かれていて、非常に興味深い。 後で、これらも読んでみようと思った。
そういえば、NLP、EMDR、TFT、他のセラピーでは、あたかも一見、これらの感覚情報処理の取り扱う分野の事柄を活用しているように見える。 中には、最新心理学の成果と自称しているものもある。 でも、理論的根拠がなかったり、治療のメカニズムが解明されていなかったり、実験してみると主張が認められなかったりするものもあったりする。 うーん、ある意味、こういう分野って、まだまだ神秘的に見えるのだろうなあと思った。
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