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2004.05.07

脳のなんでも小事典

川島隆太、泰羅雅登、中村克樹著、『脳をパワーアップしたい大人のための 脳のなんでも小事典 -- 脳を知り、鍛え、育むためのビジュアルガイド』、技術評論社、2004年を読む。 本書は、計算や音読で脳が活性化するという研究で話題を呼んでいる東北大学の未来科学技術共同研究センターの川島隆太らによる脳科学の一般向け科学書。 川島氏は、最近、非常にたくさんの本を出しているが、2名の共著者と著わした本書は、その中でも比較的素直なブレイン・サイエンスの解説書であり、現在までの科学的成果を知りたいと思った場合には適当かなと思った。

そもそも、川島氏の研究というのは、簡単に言ってしまえば、さまざまな状況や人の脳のどの部位が活性化しているかをPETやfMRIなどで調べたりするもの。 その中には、ゲームをプレイしているときのものや、計算や音読をしているときのものが含まれていた。 また、川島氏は、熱烈な家族主義者でもあり、科学的な研究の成果と古き良き家族的なイデオロギーの両方を発信するという傾向がある。 このため、ゲームの危険性をうたった森昭雄氏の『ゲーム脳の恐怖』(この本の内容には大いに批判が集まっている)、公文式、場合によっては一部の宗教とともに語られたりしている。 なんとも微妙なところだ。

なお、児童虐待の問題についても触れられている。 簡単に本書全体の知識を元に、わたしなりに書き直してみるとこんな感じだろうか。 まず、幼い頃は、脳が発達しきっていないので、長期記憶が作られにくい。 だから、インナーチャイルドだの、PTSDだのに関する一部の本が強く主張するのとは異なり、幼い頃の記憶がほとんどないのは、幼い頃に親にいじめられたということを直視するとつらくて生きていけないので、その感情を抑圧しているから思い出せないのではなく、当たり前のことなのだ。 これはもちろん虐待しても大丈夫と言っているわけではない。 たとえば脳の機能には、それぞれ発達する時期がある。 虐待によって、その発達が阻害される可能性もあり、これは大きな問題だ。 ホームオブハートの事件では、段ボールに子どもを入れていたようだが、脳機能の発達の面から考えて、その影響は非常に気になる。 また、仮に発達が阻害されなかったとしても、そもそも苦痛を与える行為、それ自身がよくないことは言うまでもない。

参考: ホームオブハートとToshi問題を考える会ホームオブハートとToshi問題を考える BLOG版、紀藤弁護士のホームオブハートとToshi問題を考える

なお、ホームオブハートに関しては、このサイトでも「きっとまた会える」「ホームオブハート」「リゾート開発と自己啓発セミナーだった頃」で取り上げた。

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