ゲド戦記外伝
先月末に購入して、余裕がなくて読めないでいたアーシュラ・K・ル=グウィン著、清水真砂子訳、『ゲド戦記外伝』、岩波書店、2004年を読む。
ゲド戦記は、アースシーという世界を舞台に、真の名前に力が秘められているという設定の魔法を背景に、自分の影の部分、思いの作り出している壁、死、などなどをテーマにしてきたファンタジー小説。 本書には、〈アースシー〉シリーズの短篇が5つと、アースシーに関する解説がおさめられている。 この短篇では、ローク学院創世記、若き日のオジオン、人と竜の秘密、そしてラブストーリーなどが、魔法を道糸に語られていく。
ところで、同様に魔法を扱った作品に、ハリー・ポッターがある。 そして、ハリー・ポッターには、魔法を学ぶ学校や、にくたらしい級友などなど、どことなく〈アースシー〉シリーズを思わせるところがある。 でも、大きな違いがあって、それはハリー・ポッターは非常に装飾過多だということだと思う。 お菓子に、おもちゃ、登場するキャラクターなど、非常にゴテゴテとディティールがキンキラに飾り付けられている。
今回、改めて〈アースシー〉の物語に触れて、何故、わたしがハリー・ポッターに違和感を感じるのかがわかったような気がした。
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