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2004.06.25

天使のドッペルゲンガー

天原ふおん著、『天使のドッペルゲンガー』、白泉社 花とゆめCOMICS、2004年を読む。

『はちみつペアグラス』の回でも取り上げた、天原ふおんの作品。 今回は、女の子の方に顕在的な特殊な能力があるのだが、実は男の子の方にも受動的な特殊能力があったりするという設定。

主人公の橘ツガルは、生きている人間の記憶から、死者の様子を引き出して、自分の体に投影し、記憶を引き出した相手に見せることができるという、「影降(かげおろし)」という能力の持ち主。 主人公の名前・ツガルに現れているように、これはイタコの技を彷彿とさせる。 また、「橘」という姓も、生死に関係したイメージを誘起する。 イタコは、依頼者の話(おろしたい人間の名前、生年月日、死亡日や死因)を聞いて、霊を自らの体に降ろし(そういうふうに見立てて、装っているだけというとらえ方もある)、死後の世界での暮らし、依頼者への感謝、依頼者に対する予言とアドバイスを話す。 ツガルの能力は、依頼者の記憶を自らに投影するもので、これはイタコの技のヴァリアント、あるいは発展形とみることができる。

一方、橘ツガルと引かれあう架乎(かや)大海(おおみ)という男の子は、一人では能力が発現しないが、ツガルとセットでその能力を高める(ただし・・・)という能力を持っていることが判明する。 ある意味、ツガルを支え、守ることが運命付けられているようなキャラクターだ。 でも、この物語では、ツガルは守られるばかりでなく、むしろ大海を守ろうとして奮闘する。 そんな一生懸命さとお互いの愛情が、実に天原ふおんらしく描かれている。

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