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2004.08.29

阿部次郎とその家族

大平千枝子著、『阿部次郎とその家族 -- 愛はかなしみを超えて』、東北大学出版会、2004年を入手。

阿部次郎は、『三太郎の日記』の著者として有名。 『三太郎の日記』と言えば、内面のドロドロとしたものを表現した難解な作品。 そして、三女の大平千枝子が、阿部次郎の家族生活を描いたのが、この本。 時代としては、大正10年くらいから終戦くらいまでの期間に相当する。 理想主義的な学者にとっての、あの時代が、家族のサイドからうかがえるかもしれない。

本のおりかえしには、花の絵があしらわれていた。

その後

本書を、読み終わった。

内容は、主に阿部次郎の子どもたちと妻、そして和辻哲郎夫妻とのことを書き綴ったものだった。 娘が晩年になって振り返る、家族一人一人の思い出という感じ。 ふと、メアリー・キャサリン・ベイトソンが、マーガレット・ミードとグレゴリー・ベイトソンを振り返って書いた『娘の眼から -- ミードとベイトソンの私的メモワール』(佐藤良明、保坂嘉恵美訳、国文社、1993年)が思い出されたが、本書の方がそれよりもずっと私的な感じだ。

弟の第二次世界大戦への従軍の悲しみ、母の秘密、父と和辻夫人の関係、姉と赤狩りなど、大正から昭和にかけての学者家族の生活。 それを、今、思い出して物語る女性の持つ生々しいリアリティが伝わってくる本だった。

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