ビートのディシプリン SIDE3
上遠野浩平著、『ビートのディシプリン SIDE3[Providence]』、電撃文庫、2004年を読む。
これは、〈ブギーポップ〉シリーズの1冊だが、ブギーポップは全く出て来ない。 〈ブギーポップ〉シリーズは、人間の中から、特殊な能力を持ったものが出てくるのを阻止しようとしていると言われている統和機構という組織が存在しており、この組織の擁する合成人間と、特殊な能力を持ってしまったものたちとの戦いを描いている。 一種の超能力・超人類もののSFだ。
ビートのディシプリンは、3巻からなる作品で、統和機構から追われる立場になった合成人間ビートが、統和機構に対抗する組織や、周辺の人物の中で、カーメンという謎の概念を巡って、生死をかけてかけまわる話だった。 シリーズものの常で、どんどんとんでもない能力を持った連中が出現してくる。 さらに、他の巻の登場人物が入り乱れて、だんだん、誰が誰だかこんがらがってくる。 一時は、統和機構の支配は絶対かに見えたが、だんだんそうでもない雰囲気になってきた。
ブギーポップは、世界が危機に瀕すると、宮下藤花という女の子の多重人格として出現する存在で、肉体の能力はリミッターをはずして使うことができるという設定だった。 とは言え、あくまでも普通の人間に過ぎない。 一方、統和機構の合成人間たちをはじめとして、どんどん強力な存在が出現してきている。 今後、果たして、ブギーポップにどれだけ活躍する余地が残っているのか、話はどこへ向かうのか、非常に興味深いところ。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント