記憶鮮明
日渡早紀著、『記憶鮮明』、白泉社文庫、2004年を読む。
本書は、〈ぼくの地球を守って〉シリーズで有名な、日渡早紀の作品集。 〈記憶鮮明〉シリーズの作品が、「記憶鮮明」「そして彼女は両眼を塞ぐ」「CIBI-01のYA!YA!YA!」「偶然が残すもの -- 記憶鮮明II」「BIRTH -- 記憶鮮明III」の5編収録されている。 〈記憶鮮明〉シリーズとは、巻末の著者あとがきによれば、EPIAという超能力者の組織が関係する作品で、〈ぼくの地球を守って〉シリーズもこのシリーズに含まれるという。
本書に収録された作品は、昭和59年から平成11年までに発表されたもので、「偶然が残すもの」以前と以降では10年以上も描かれた時期が異なっている。 絵柄も作品の構成も、丁度この隔たった時期に大きく変化して独自の世界を切り開いたので、〈ぼくの地球を守って〉以降の作品になじんでいると、いわゆる当時の少女マンガの文法で描かれた初期の作品を見るとびっくりすると思う。
本書は、日渡早紀の軌跡が見える1冊だった。
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