あなたを護る反論術
萩谷雅和、栁澤崇仁、松江協子著、『あなたを護る反論術』、NHK出版 生活人新書、2004年を読む。
本書は、いろいろなトラブルの際に、どんな反論が可能かを、事例紹介した本。 議論の勝ち方を書いた本は結構出ているが、弁護士の方が書いていて、議論に勝つというよりは、処世術としての側面が大きいところが、本書の特徴。
そもそも議論や反論は何のためにするのか? それは物事を解決して、よりよい社会生活を手に入れるためだというのが、本書の基本的な姿勢だ。 筋を通すためだけの議論や、議論に勝つための議論ではなく、護るべきものを護ることを前提としながらも、必要以上に事を荒立てず、時には譲歩もし、トラブルを回避しつつ、社会的な慣習や構造と自分の信念や生活状況との折り合いを見つける。 ただ、どうしてもという場合や問題によっては、裁判や法的な争いも考えられ、その際にはどのようなことがポイントになるかということも、いくつかの事例においては紹介されている。
常識的な感覚に支えられた本だったと思う。
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