ピルグリム・イェーガー 4
冲方丁作、伊藤真美画、『ピルグリム・イェーガー (4)』、少年画報社 YKコミックス、2004年を読む。
どんどんすごくなる『ピルグリム・イェーガー(巡礼の魔狩人)』。 時代は、メディチ家のジョバンニ枢機卿がフィレンチに復帰を果たし、法王レオになってしばらく。 ルターが95ヶ条の論題を提示したちょっと後の時代。 物語の中では、孔雀という宗教が、人心を惑わし、鶏の妖術で騒ぎを起こしている。 一方で、メディチ家は、ユダの30枚の銀貨になぞらえた異能のものたちを使い、覇権を狙う。 この30枚の銀貨は、ザビエル、ロヨラ、ミケランジェロ、アグリッパなどの実在人物だ。
そういったルネッサンスの最中のイタリアで、2人の少女アデールとカーリンが翻弄されるのが、このお話。 アデールは、変わった十字の形をした邪を焼く槍を使う軽業師。 カーリンは、手の平に予言と力を持った釘が出現する占い師。 2人は、救いを求めて、免罪符を手に入れようとする。 しかし、怪異の解決を求める市警に依頼され、孔雀や銀貨の争いに巻き込まれていく。 その中で、見えないものを見、心の声を聞き、その結果、知らずに異端と呼ばれる道へと足を踏み込んでいってしまう。
冲方丁の『ばいばい、アース (上・下)』(角川書店、2000年)も、小さくて強くてかっこいい少女を描いていたが、本書、『ピルグリム・イェーガー』においてもそれは同様。 次巻に期待。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント