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2004.10.31

〜進化するWeb〜セマンティックWeb

Dieter Fensel他編、斎藤信男、荻野達也監訳、『〜進化するWeb〜セマンティックWeb』、ジャストシステム、2004年を買う。

本書は、2000年3月にドイツのダグストゥールで開催されたセミナーをベースとした"Spinning the Semantic Web -- Bringing the World Wide Web to Its Full Potential"(2003)の翻訳。 セマンティックWebについて、1冊まるまる書かれた本としては、たぶん日本語でははじめての本。 なお、専門書で、一般の人向きの本ではない。

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2004.10.30

琵琶の音

琵琶の演奏を聴く。

大連の女性の方の琵琶の演奏を聴く機会があった。 じょろん、じょろん、という琵琶の音に、思わず、夢枕獏の『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』の一場面を思い浮かべてしまった。

秋の夜に、琵琶の音が染み通った。

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2004.10.29

崖っぷち弱小大学物語

杉山幸丸著、『崖っぷち弱小大学物語』、中公新書ラクレ、2004年を読む。

本書は、京大の霊長類研究所の所長から、東海学園大学の人文学部の学部長になった著者が、その奮闘と思いのたけを著わしたもの。 ちなみに著者の杉山幸丸氏は、現在70才ちかく。

少子化の波により、大学の入学希望者数よりも、大学の定員の数の方が多くなる時代がそこまでやってきている。 定員割れしている大学もあるわけで、極端な話、勉強を全然しなくても、大学に入ることは、どこでもいいと思うなら、十分可能だ。

それから、経済成長もほとんどないし、つぶれる会社も多々あるし、いろいろと見通しが悪くなってきている。 きょうび、一生懸命勉強して、いい会社に入って、最低限の安泰は確保できるというビジョンは成り立たなくなっている。

それらにより、大学には、全然、今までの内容の講義ではついてこれない人たちや、そもそも熱心に何かをするという習慣のない人たちが増えていくことになるだろう。

こういう状況の中では、大学の果たすべき役目は変わってくるし、当然、構成員の仕事も変化してくる。 大学の先生の仕事は、よく研究と教育だと言われる。 大学生の学力ややる気が下がれば、教育に力をそそぐ必要が出て来るだろう。 ところが、その一方で、研究の成果を厳しく問われるようにもなってきているようで、現場では努力が強いられていることだろう。

本書では、そういう状況の中で、特に厳しい大学の一員として、大学の仕事は教育で、「普通の学生」のためにがんばろうとした取り組みと、その取り組みの中で感じたと思われる不満を元にした提言(?)が書かれている。 そして、本書の結論は、大学の顧客である学生の将来、それを大事にして、努力しようという、非常に当たり前(のはず)のこと。 大学がつぶれていくような状況下で、それだけで大丈夫なのかという気が。

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2004.10.28

ピルグリム・イェーガー 4

冲方丁作、伊藤真美画、『ピルグリム・イェーガー (4)』、少年画報社 YKコミックス、2004年を読む。

どんどんすごくなる『ピルグリム・イェーガー(巡礼の魔狩人)』。 時代は、メディチ家のジョバンニ枢機卿がフィレンチに復帰を果たし、法王レオになってしばらく。 ルターが95ヶ条の論題を提示したちょっと後の時代。 物語の中では、孔雀という宗教が、人心を惑わし、鶏の妖術で騒ぎを起こしている。 一方で、メディチ家は、ユダの30枚の銀貨になぞらえた異能のものたちを使い、覇権を狙う。 この30枚の銀貨は、ザビエル、ロヨラ、ミケランジェロ、アグリッパなどの実在人物だ。

そういったルネッサンスの最中のイタリアで、2人の少女アデールとカーリンが翻弄されるのが、このお話。 アデールは、変わった十字の形をした邪を焼く槍を使う軽業師。 カーリンは、手の平に予言と力を持った釘が出現する占い師。 2人は、救いを求めて、免罪符を手に入れようとする。 しかし、怪異の解決を求める市警に依頼され、孔雀や銀貨の争いに巻き込まれていく。 その中で、見えないものを見、心の声を聞き、その結果、知らずに異端と呼ばれる道へと足を踏み込んでいってしまう。

冲方丁の『ばいばい、アース (上・下)』(角川書店、2000年)も、小さくて強くてかっこいい少女を描いていたが、本書、『ピルグリム・イェーガー』においてもそれは同様。 次巻に期待。

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2004.10.27

自由自在Squeakプログラミング

梅澤真史著、『自由自在Squeakプログラミング』、ソフト・リサーチ・センター、2004年を買う。

Squeak(多言語化Squeak)は、オブジェクト指向言語(?)Smalltalkの後継の一つ。 アラン・ケイが、NHKの「未来への教室」で、子どもたちにSqueakを教えている姿を見た方もいるかもしれない。

これまで、Squeakについては、Thoru Yamamoto著、『スクィークで遊ぼう』、翔泳社、2003年のような、Squeakを使ってプログラムというものを本当にはじめて学んで実感しようという本、あるいは入門とは書いてあっても実際にはしきいがちょっと高い本が出ていた。 また、Squeakは、ある程度本気でプログラミングしようと思うと、Smalltalk的なプログラミングになるが、Smalltalkに関する本も、邦訳は絶版だったり、使い勝手が微妙な本というのが多かった。 Smalltalkは、全部ソースもついているので、システムブラウザを立ち上げて、ソースを読んで勉強すればいいとか言われても、そもそも使い方とか、言語仕様とか、基本的な思想がわからない段階だと、いくらなんでも大変すぎるのだった。

本書、『自由自在Squeakプログラミング』は、Smalltalk的なプログラミングを丁寧に紹介した本。 Squeakの本格的なプログラミングを、はじめて勉強してみようというのには向いていそうな雰囲気。 Squeakの上では、Swikiのようなシステムも動き、使えるようになるといろいろ楽しそう。

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2004.10.26

ヒストリエ 1、2

岩明均著、『ヒストリエ (1)、(2)』、講談社アフタヌーンKC、2004年を読む。

岩明均と言えば、『寄生獣』で有名だが、『ヘウレーカ』のような古代を舞台にしたマンガもあり、この『ヒストリエ』もその一つ。 残酷なことや思いもかけないことが、突然起きてしまう現実の中で、普通とは何か違うものが見えていたエウメネス(後にアレキサンダー大王の書記官になる人物)が教養を武器に生きていくというお話。 このマンガに関しては、ほとんどこれ以上、何を書いてもネタバレになってしまうくらい、いろいろな展開が待っている。

次巻に期待。

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2004.10.25

世界が終わる場所へ君をつれていく

葛西伸哉著、『世界が終わる場所へ君をつれていく』、メディアファクトリー MF文庫J、2004年を読む。

本書は、青森を舞台にした、少年と少女の出会いの物語。 ある日突然、銀色の巨大な樹のような物体が降って来る。 この物体は周囲の建造物などを吸収しながら巨大化していく。 この〈銀の樹〉をどうしても見に行きたくなった中学3年生の僕は、少し離れた街に墜ちたそれを、避難命令の出ている中、自転車を漕いで見に行くことにする。 ところが、途中で、あの〈銀の樹〉はわたしを殺すために降ってきたと称する高校1年生のきれいな女の子と出会い、同行することになるというお話。

この小説では、少年が、変なヤツと思いつつも偶然出会った少女を救いたいという気持ちと、どうしても〈銀の樹〉を見に行きたくなってしまったという気持ちの2つと、行き当たりばったりに発生する事件がからんで、話が進んでいく。 少年も少女も、巡り合わせによって、こんな道中にはなってしまったものの、基本的には普通の人たち。 普通の人たちが、不思議な事件で出会って、そこから何かが始まるというのが、このお話だ。

なお、小説の中身とは関係ないが、たぶん、青森の少年少女は、この小説のような口調では話さないだろうとは思う。

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2004.10.24

はじめのコーチング

ジョン・ウィットモア著、清川幸美訳、『はじめのコーチング -- 本気の「やる気」を引き出すコミュニケーションスキル』、ソフトバンクパブリッシング、2003年を読む。

原題は、"Coaching for Performance -- Growing People, Performance and Purpose, 3rd. Ed."。 著者は、元プロ・ドライバーで、現在は英国でパフォーマンス・コンサルタンツ社を設立したという人。

本書の内容は非常に簡単に言えば、それぞれの人は非常に大きな可能性を持っているので、自分で責任を持って、自分で考えて、行動してくれればうまくいくというもの。 そのために、現在の状況に意識を集中するような問いかけや、将来こうなりたいねというビジョンを作り、楽しく真剣な人間関係を築こうという感じ。 ティモシー・ガルウェイのスポーツに関する「インナーゲーム」の考え方に多くを負っている。

ということなのだが、どうも非常に楽観論のような気も。 そのようにマネージメントするための方法論も、提示されているもので十分なのかはよくわからない。

しかし、「コーチング」と題された本を何冊か読んだが、それらの間で、ほとんど内容が一致していないというのは・・・。

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2004.10.23

一回休み

何が原因かわからないけれど、疲れがどっと出て一回休み。 目が醒めて、地震の話を聞いてびっくりする。

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2004.10.22

歯の治療

9月21日の記事に書いた歯の治療が、一通り終わった。

2箇所虫歯になったところを削って被せるのと、前歯付近に歯石がたまっていたので除去するという2種類を行った。

実は、もともと、左の耳の下付近が痛んでいた。 最初、イヤホンマイクを使用して、長時間話をしたためかと思った。 そこで、耳鼻科に行ったところ、異常はないとのこと。 顎の噛み合わせがおかしいかもしれないので、歯科医に行くようにすすめられた。

ちょうど、歯も痛くなっていたので、歯科医に行くことにした。 そして、診断してもらって、上記の2種類の治療を行った。

さて、そもそもの耳の下付近の痛みだが、実は初回の虫歯の治療だけですっきり治ってしまった。 どうも、歯が痛いのが、直接か間接かは不明だが、耳のあたりまで影響を及ぼしていたらしい。

もしも、顎の噛み合わせが本当におかしいとしたら、一体、どうやって治療するの? もしかして骨でも削るのか? それって、かなりの大事になるでは・・・などと思っていたが、大したことがなくてよかった。

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2004.10.21

グノーシス

筒井賢治著、『グノーシス -- 古代キリスト教の〈異端思想〉』、講談社選書メチエ、2004年を読む。

キリスト教の正統が成立していった中で、結果として主流派ではなくなってしまったものがたくさんある。 その中でも、ある特異な思想を持っていた人たちのことをグノーシス派という。 グノーシス派の思想は、次のようなものだ。

  • この世を創った神は愚かで、悪である。そして、実はこれとは別に、至高の善なる神がいる
  • 人間も、愚かで悪な神が創った。ただし、この中に至高の善なる神の断片が、わずかながら含まれている。
  • そのことに人間は気づいていない。至高の善なる神から使いがやってきてくれて、気づくことにより、救済される

それで、この世を創った神とは旧約聖書の神で、一方、至高の善なる神とはイエス・キリストを使わした神であると考えることもある。

このように、正統派になったキリスト教とは随分異なった教えを持った、グノーシスの人々の宗教運動を、非常に明解に、しかもとてもおもしろく紹介したのが、本書『グノーシス』だ。 これまで、グノーシスに関する本は、高価なもの、雑多な論考を集めたもの、一人の研究者によって書かれた大著、etc. と、実にいろいろ出版されてきた。 その中でも、この本はとてもわかりやすく書かれている。

そもそも、正統派になったキリスト教や聖書には、いろいろな矛盾が含まれている。

わたしには、小さい頃、熱心なキリスト教の信者が身近にいた。 そのため、教会の日曜学校や、幼児教育、子ども向けの聖書物語などにより、キリスト教のお話には親しんでいた。 それでも「一体、神とは何なのか」とか「なぜ、神がいるのにこの世の中はこうなっているのだろうか」とか、実際にイエスの教えを実践することの不可能性とか、いろいろと思い悩むことがあった。

そんなわたしだったが、漢字が十分読めるようになり、厚い本も読めるようになった頃に、はじめて子ども向きでない聖書を読んでみた。 そして、非常に驚いた。 そこには、非常にバイオレンスで、不条理な物語が書かれ、脅しとセットでいろいろな指図が書かれていたからである。 更に、旧約の方では、神の民、そして神自身でさえ、残酷な行いをしたりもする。

わたしは、不思議に思った。

みんなは、これを信じているのだろうか? いや、そもそも、ちゃんとこれを読んでいるのだろうか? 読んでいるとしたら、これらの矛盾や不条理は、どう思っているのだろうか?

実行することが事実上不可能なことが、実行するようにと書かれている。 そのことに対してどう考えているのか? しかも、実行しなかった場合、今、この瞬間に来るかもしれない最後の審判の結果、地獄の業火で永遠に苦しむかもしれないというではないか。

一体、どうしたら、これらの問題と決着が付けられるのだろうか?

もしかして、昔の人は、こういう矛盾や謎にも気づかなかったのだろうか? ただただ、ありがたく信仰しつづけてきたのだろうか? そういう時代だったのだろうか? そして、歴史的事情によって、現在まで、このようなものが信仰されてきたのだろうか?

うーーむ・・・。 現代人としては、どう生きるべきなのか?・・・

それだけに、ハンス・ヨナスの『グノーシスの宗教』(秋山さと子、入江良平訳、人文書院、1986年)や、いくつかの外典や偽典やタルムードなどを知って、非常に感心した。 旧約の外典や偽典、タルムードなどは、新約以前の時期に。 そして、グノーシスはキリスト教の成立期に、そういったことにちゃんと疑問を抱いていた人もいたということを示していたからだ。

たとえば、グノーシスというのは、「神が非常に素晴らしい存在だとしたら、何故、この世に悪は存在するのか?」という疑問に対して、理論的に説明しようとした挑戦だ。 この難しい問題に取り組んだ結果、グノーシスのウァレンティノス派やバシレイデースは、やたらにややこしい宇宙論を作り出す羽目に陥ったりする。 そして、そこまでやっても、成功しているとは言い難いものしかできなかったわけなのだが・・・。

本書で紹介されているマルキオン派から独立したアペレスという人物の話も傑作だ。 アペレスは、次のように主張したという。

聖書に書かれている通りにノアの方舟を作っても、せいぜいゾウが4頭程度しか積載できない。 よって、すべての動物をつがいで収容できるはずはない。 つまり、聖書はデタラメなのだ・・・と。

びっくりするほど、理性的な批判だと思う。 しかも、この話は2世紀末のことなのだ・・・。

グノーシス派は、初期のキリスト教の異端であると見なされている。 現代では、キリスト教の異端と言えば、19世紀以降誕生し、現在でも勢力をふるっている、いくつかの団体のことを指す場合が多いと思う。 しかし、それらの語るハルマゲドン、キリストの再臨や伝説よりも、2世紀頃の各派の話の方が、はるかに現代的で理性的に思えてくるではないか。

そんなおもしろくて、刺激的な連中の話を、本書はとても楽しくわかりやすく紹介しているのである。

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2004.10.20

Java Webサービス

JavaによるWebサービスのシステムをいじる。

オープンソースのコンテンツ・マネージメント・システムがあり、Javaで書かれている。 Tomcatの上で動くシステムなので、Linuxをインストールして、その上でビルドに挑戦してみた。

ところが、ビルド途中で「ファイルサイズ制限を超過しました」というエラーが出て停止してしまう。 調べてみると、ビルドの際に作られるファイルのサイズが2Gを超えていて、これはLinuxではLFS(Large File Support)という機能を使用しないと取り扱うことができないらしい。

実際にとりあえずビルドするとどうなるのかを知りたいので、ためしにMac OS Xにでも入れてみようかと、Will Iverson著、酒井皇治監訳、日向あおい訳、『プログラミングMac OS X for Java Geeks』、オライリー・ジャパン、2003年を読んで、AntやTomcatを導入してみることに。 果たしてどうなることやらやら。

追記

Mac OS XにAntとTomcatを入れて、ビルドすると、いともあっけなく完了した。 巨大なファイルも一切できていない。

あまりにおかしいので、Linuxの方のビルドの過程を詳細に表示させるオプションを使って調べてみた。 すると、Antがファイルをコピーするところで、元ファイルは非常に小さいのに、出力ファイルがなにやら巨大になっている。

もしかして、Antのせい?

実は、本来は、Linuxをインストールしたら、すぐにアップデートすべきところだろう。 ところが、アップグレードしようとしたところ、依存関係のチェックだけで非常に時間がかかる。 それで、まあ、とりあえず先に使いたいソフトのビルドをしてしまおうと・・・。

パッケージは信用しないで、自前で最新版のAntを個人用にインストール。 なにやら、ラッパーのシェルスクリプトが、システムに既にインストールされている古いAntの設定ファイルを優先して読むようになっていたので、これを無効にする。

その上で、ビルドしたところ、いとも簡単に成功。 うーん、なんだかな。

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2004.10.19

重み

重みを感じる。

今まで、あまり人を指導するという立場になかった。 責任が分散されているとか、一緒にやるとか、あるいは自分がメインに実務を担当するというのが、ほとんどだった。

ところが、今回、大きな裁量が与えられ、原石ではあるが資質のあるスタッフを指導することになった。 これはチャンスでもあるが、責任も発生する。 適切な指針が見いだせず、プレッシャーにぐらぐらくる。 結末に向けて妙なテンションになりつつある藤田和日郎の『からくりサーカス』34巻を、こんなときに読んでも、反対に気持ちはおちこむばかり。

なにげに煮詰まって、アヤシいものが多いヒューマンスキル系の指導法の本なんかにまで、興味が出て来る始末。 煮詰まって、グルになって、更に煮詰まって、ヤバい人になってしまうといった、心境の一端が理解できるな気分。

自分の指導をしてくれた人の偉大さを実感する。 はっきり言って、自分で自分を指導したら、ぶち切れていたかもなあ・・・と。

とは言ってみても、人ができることには限界があり、相手もあること。 可能な範囲でどれだけうまく調整していけるかというのが、落としどころではあるのだろうけれども。

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2004.10.18

ファントムブレイブ イヴォワール物語

道満晴明漫画、日本一ソフトウェア原案、『ファントムブレイブ -- イヴォワール物語』、角川コミックス・エース、2004年を読む。

これは、これまでアダルトや同人方面で活躍していたマンガ家・道満晴明による、PlayStation2のゲームのコミック化。

実はわたしは、ゲームの方の「ファントム・ブレイブ」はプレイしたことがない。 更に、どうもこのマンガ自体もゲームをプレイしないで描かれたと書いてあって、どのくらい原作を再現しているのかは未知数だ。 しかし、マンガ単体としては、毒といいお話の両方を兼ねそろえた作品になっていて、結構、楽しめた。

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2004.10.17

DTP&Web画像データ事典

東陽一、伊藤哲、佐藤好彦、庄司正幸著、『DTP&Web画像データ事典』、MdN、2004年を読む。

本書は、タイトルに「事典」と書かれているが、どちらかというと、画像データに関する紹介とDTPなどの現場における取り扱いの方法を実践的に、最新の動向もふまえて紹介した本だ。

「画像データのワークフロー」「画像データの基本」「カラーマネージメント」「スキャナ・デジタルカメラ」「画像補正」「Web画像の作成」などの章から成っている。 色分解や網点の話など、印刷の現場で必要になることも書かれている。

結構、盛りだくさんな内容だったので、後で折にふれて読み直してみようという気に。

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2004.10.16

天使の時空船 1

松本零士著、『天使の時空船 -- レオナルド・ダ・ヴィンチの伝説 (1)』、嶋中書店 アイランド・コミックスPrimo、2004年を読む。

これは、松本零士の1990年代中期の作品を、最近コンビニ等で扱っている紙質があまりよくないコミックスのシリーズとして出版したもの。

お話は、未来、人類の住む大銀河系が宇宙の崩壊断面に落ち込みかけていて、その危機を救えるのはレオナルド・ダ・ヴィンチだけという調査結果が出る。 そこで、ダ・ヴィンチのものと思しき血液からクローンを作ろうとするが、科学者グループの一人マミヤは、それが許せず、機械を破壊してしまう。 代わりに、過去に行って、ダ・ヴィンチに付き添って学んで来ると言い遺して、旅立ってしまう。 以降は、更に未来からきたクリスティンとともに、ダ・ヴィンチの成長に付き添っていくというもの。

『天使の時空船』は、今回はじめて読んだのだが、結構、よかった。 松本零士の最近の作品は、中途半端になっていたりして、敬遠していたが、少なくともこの作品は1巻目の段階では、期待できそうな雰囲気。 「コミックトム」に4年ほど連載されていたこの作品、最後まで、この調子でいってくれるといいのだけれど。

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2004.10.15

クリティカルシンキング《不思議現象篇》

T・シック・ジュニア、L・ヴォーン著、菊池聡、新田玲子訳、『クリティカルシンキング《不思議現象篇》』、北大路書房、2004年を買う。

本書は、原題を"How to Think About Weird Things -- Critical Thinking for a New Age 3rd ed."といい、ニューエイジに関するトピックスが数多く収録されている。 たとえば、予知、UFO、偽りの記憶、相対主義、占い、精神分析、超心理学、創造論、驚異的な治療法、ホメオパシー、ダウジング、死者との交信、臨死体験など。 ニューエイジャーや自己啓発セミナーにみられる、「自分の現実は自分が創造している」という信念なども取り上げられている。 そして、それらを題材に、その根拠や合理性などを検証する考え方を紹介している。

なかなかおもしろそうなので、後で時間があるときにゆっくり読んでみようかという気に。

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2004.10.14

漆器

漆器の展示即売会に行く。

今回でかけた漆器の展示即売会は、名人クラスの方たちの集まりが主催だった。 それだけに、出典されていた作品も、お土産売り場などでは、決して見られないような出来のものばかり。

漆は固まると半透明になる。 その漆を何層も塗り重ね、磨き出すことで、光の透過と反射により、様々な模様を描き出しており、見事としか言いようがない作品に圧倒される。 眺めていると、ぼーっとして時間をたつのも忘れてしまいそうになる。

帰りに、小鉢を一つ購入した。 漆器は永い時間が経過すると、透明感が増し、色が変わっていくが、美しい色に変わりそうな一品で楽しみ。

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2004.10.13

ガンパレード・マーチ 5121小隊 九州撤退戦 上・下

榊涼介著、『ガンパレード・マーチ 5121小隊 九州撤退戦 (上・下)』、電撃ゲーム文庫、2004年を読む。

これは、PlayStationのゲーム『高機動幻想ガンパレード・マーチ』を原作とした小説。 同作者のガンパレード・マーチ関係の小説では、以前、『ガンパレード・マーチ あんたがたどこさ♪』を取り上げた。

本作は、上下巻で、それぞれ独立に読むことはできず、この種のゲームのノヴェライズとしてはかなり長めの作品になっている。 描いているのは、タイトル通り「九州撤退戦」で、これはゲームにおいては戦況が劣勢の場合に発生する。 このため、かなりぼろぼろの戦いになっている。 前作の『あんたがたどこさ♪』同様に、非常に魅力的にそれぞれのキャラクターが描けていて、違和感がない。 しかも本書を読むとゲームの方にも奥行きが感じられる。 一応、これでゲームの終わりまで描き終えたことになる。 楽しく読めた作品群だった。

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2004.10.12

なんでも説明できるらしい理論

ある本を読んでいて、思い出したことがあったので、備忘録として。

昔、ニュートリノの研究をしている素粒子理論物理教の熱心な信者さんとお話をしたことがある。 そのとき、わたしは、とある文脈で、素粒子の相互作用が解明されたとしても、世の中のすべてのことが説明できるわけではないという話をした。 すると、その信者さんから、そんなことはない、人間のことでも、なんでもかんでも、とにかくすべてのことが説明できるのだ。 お前は物理というものを理解していないダメなやつである、という感じの反論をいただいた。

しかし、残念ながら、物理の話だって、エレメンタリーな電磁相互作用のことはよく分かっていても、それだけで複雑な構造をしたものの物性が相当な精度でなんでもかんでも説明できているわけではない。 毎年新しい発見があるし、わかっていないことだってある。

ところが、素粒子の相互作用が解明されれば、そういうことはすべてなくなると、そういうご信仰をお持ちのようだった。

物事には、レイヤーがあり、それぞれのレイヤーのレベルで、現象がよりよく理解できる理論が普通あったり、作ろうとする努力が行われている。 それで、あるレイヤーの理論が、下位や上位のレイヤーの理論と、うまく統合できると便利だ。 しかし、たとえば2体の相互作用の理解と、それが多体や場に拡張された場合に、現実的にどれだけちゃんと計算できて、意味がある結論が得られるかなど、なかなか難しいことがあることもある。 それだけにそれができると意味があることだったりするのだが。

わたしは素粒子の相互作用の解明には、そのレイヤーにおける理論の確立という意味で、十分大きな意義があるとは思う。 しかし、それだけでなんでも説明できるというのは・・・。 もちろん、世の中、必ずしもわたしが出会ったような信者さんばかりでもないということを断っておこう。

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2004.10.11

誰が為にカレーはある

織田兄弟著、『誰が為にカレーはある -- ハイブリッド学園 3』、メディアファクトリー MF文庫J、2004年を読む。

昨年の秋に『ハイブリッド学園 -- 猟奇的な彼女』を読んで、その後、2巻目の『博士のビミョーな愛情 -- ハイブリッド学園 2』と、先月出たこの3巻目を買っていたが、まだ読んでいなかった。 それで、2巻目から読みはじめたのだが・・・、実は、すっかり1巻目の話を忘れていることに気がついた。 ライトノベルの設定というのは、典型的な要素が見られることがあり、記憶がまじってしまい、本の裏の話の紹介や、最初の方に付いているキャラクター紹介を読んだだけでは、えーっとなんだっけ?ということがたまにある。 というわけで、結局、1巻から3巻まで読むことに。 所要時間は、のべ3時間くらいだった。

さて、気を取り直して、本書のお話は、天界、地上界(わたしたちの世界)、獄界があるという設定。 小野寺正輝は、未来に起こるかもしれないいろいろな可能性を見て、そこから選び出すことができるという、トンデモない能力を持った高校生。 しかし、本人はその能力をうまく使いこなせていない。 とある事件により、その能力が知られ、特殊能力を持った生徒が悪と戦っている轟学園の最優先保護対象生徒となり、編入する。 1話では、獄界の権力争いに巻き込まれ、それ以来、獄界の王女と轟学園に通うことになる。

この3巻では、小野寺正輝の家族、特に妹と、その王女との邂逅と親交の深まり、それから物語の謎の一端が描かれる。 ちょっと伏線の張り方のテクニックなど、気になるところもあるけれど、少女同士の出会いと友情を、かなりアニメっぽいタッチではあるが、気持ちよく描いた作品だった。

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2004.10.10

展示で果てる

展示の開催と、その対応で果てる。

ここのところ、短い期間にイレギュラーなイベントが多数あり、スケジュールはめちゃくちゃ。 終わった後にかなり疲れが出て、寝込んでしまった。

展示の方は、データ入稿で注文したパネルがバッチリ届く。 カラープロファイルを埋め込んでおいたものの、用いられなかった模様。 おそらくはプリンタのデフォルト設定で、印刷業界の好みのハイ・コントラストでくっきりした仕上がり。 それはそれできれいなのでOKかも。

会場の設営は、昔、展覧会をやったときの経験が結構活きる。 あまりにも殺風景の極みというか、無粋すぎる会場を、そこそこ落ち着いた雰囲気に演出することができた。

更に、来客の対応まであったりして、結構、疲れる。 もうダメですという感じで、疲れて寝込んだのだった。

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2004.10.09

児童性愛者

ヤコブ・ビリング著、中田和子訳、『児童性愛者 -- ペドファイル』、解法出版社、2004年を読む。

本書は、デンマークで2000年に放映された児童性愛者協会の告発番組の取材を行った著者が、その過程を描いた本だ。 児童性愛者とは、少年や少女との性交を欲するもののこと。

なんと、デンマークには、結社の自由により、「子どもと成人間の性的関係に対しての世間一般の偏見を取り除くこと」を目的とした児童性愛者協会というものが設立されていたという話。 その協会に、児童性愛者を装った著者が潜入取材する。 協会の会合では、現行の法律がほとんど骨抜きであることが語られ、同じ性向を持った人々のネットワークが形成されている様を取材する。 更に、協会で知り合った人たちから、少女とのセックス・シーンの写真やフィルム、ビデオを紹介されたり、いかにして少年と性的な関係を作ったかを教えられたり、海外で少年や少女を買うかを紹介されたりする。

中でも衝撃的なのが、写真に写った少女を探してスウェーデンまで出かけて取材をした話だ。 当時、少女だった彼女らは、既に20代の女性。 両親から性的虐待を受けたりした女性が、当時のことを抱え続け、暗澹たる日々を送っている現実はあまりに厳しすぎる。

とにかく、すごい一冊だった。 著者が精神的苦痛に悩まされながら、取材を続けていたのが、伝わってくる。

なお、本書の訳者の中田和子さんには、セラピーと芸術による人間の解放を謳ったコミューンを作った、カルトAAO(Aktions-analytische Organisation)の内部告発である、ビョーエ・マッセン著、『楽園の奴隷』、河出書房新社、1999年の翻訳もある。 AAOのグルであり、ウィーン行動主義派の芸術家でもあるオットー・ミュールは、1991年にAAOの信者の幼女との関係により猥褻と未成年強姦の罪で7年間の懲役となった。 今年の春にウィーンの応用芸術博物館(MAK)でオットー・ミュールの展覧会が開催されたが、AAOのことが問題になり、波乱を呼んだ

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2004.10.08

推定少女

桜庭一樹著、『推定少女』、ファミ通文庫、2004年を読む。

これは、大人になる前の少女の戦いを描いたSFファンタジー小説。 宇宙船が墜落したという噂が駆け巡った日、トラブルにより義父を傷害し、逃亡した少女・カナは、もう一人の不思議な少女と出会う。 記憶を失ったと自称する、巨大な銃を握りしめた少女と、カナは、関東の端っこから、東京へと逃亡する。 そして、秋葉原で出会ったガンマニアの少年・千晴との生活がはじまるが、だんだんそれぞれの事情が明らかになるとともに、危機が迫る・・・、というもの。

中学生の頃、世の中はどう見えていただろう。 親のすること、先生のすること、街で見かけるカップルの様子、テレビに出ている「子どもの代弁者」、男子のこと、女子のこと、自分のこと。 わかっているようで、わからない。 考えてみても、ぐるぐるぐる。 ふざけて子どもっぽいことをして、失敗して、恥ずかしい後悔。

そんな感覚が、本書からは甦ってくる。 そして、向こう側とこちら側をいったり来たりする話でもあった。

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2004.10.07

肩をすくめるアトラス

以前に『水源』を取り上げた、アイン・ランド著、脇坂あゆみ訳、『肩をすくめるアトラス』、ビジネス社、2004年を買う。

なんと、今年は、アイン・ランドの二大小説が、いきなり2冊とも翻訳されてしまった。 『水源』の方も1000ページ以上あるが、この『肩をすくめるアトラス』も1300ページ近くある大著だ。

アッチ側にいた昔だったら、最高と思ったかもしれないアイン・ランドのこの二大小説、今読むと一体どんな感想を抱くのだろうか。 自分自身を試すリトマス試験紙になりそうな気配。

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2004.10.06

Adobe Photoshop Elements 3.0

英語版を見て気になっていたAdobe Photoshop Elements 3.0と Adobe Premiere Elementsの日本語版が発表になった。

Photoshop Elements 3.0の方は、デジタル・カメラのRAWデータや16bitカラーのデータが扱えるようになっている。 デジカメとWebのユーザを対象に、RGBの画像に特化したソフトとしては十分すぎるくらい高機能なような気がする。

わたしは、CMYKやLabの画像も扱うので、Photoshop Elementsのユーザにはならないけれど、この機能がこの価格で手に入ってしまうのは、どこか羨ましいものが。

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2004.10.05

怪 17

「怪 vol.0017」、角川書店、2004年を買う。

これは、妖怪の雑誌で、水木しげるや荒俣宏や京極夏彦をはじめとする執筆陣を中心に、現在までに1+17巻が発行されている。

今回驚いたのは、顔が人間で体が牛で、「件(くだん)」という予言をするとすぐに死んでしまうと言われている、妖怪の剥製が、木原浩勝氏によって発見されたというニュース。 まだ、詳しく調べられていないようだが、木原氏は、子牛の未熟児ではないかとコメントしている。

なんでも、この剥製は、香具師をしていた方の商売道具の一つで、この剥製とセットになっていた紙芝居も一緒に群馬県の沼田で発見されたとのこと。 それで、この紙芝居の内容は、不倫の発覚をおそれて殺人をおかした女が、牛人間に生まれ変わった殺した相手に復讐されてるという、すごいもの。 もはや、予言をする妖怪「件」の話はどこへという感じだが、見せ物としては、このくらい無茶な話の方がウケるのだろうという気も。 さながら、勝手に神秘的な物語が付け加えられていった、前回のタロットの話のようでもある。

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2004.10.04

タロット大全

伊泉龍一著、『タロット大全 -- 歴史から図像まで』、紀伊国屋書店、2004年を読む。

この本は、タロットの歴史を非常に真面目に詳しく解説した本だ。 たくさんのタロットの絵が収録され、約600ページにも及んでいる大著である。 今まで読んだことがあるタロットの本の中では、一番おすすめの本。 ただし、占法の本ではないので、それを求める人向きではない。

タロットといえば、むかし、アレクサンドリア木星王という著者が、非常にたくさん本を出していた。 この著者による本の一冊に『タロット秘密解読』というのがあって、これは大陸書房から1985年に出たものだ。 この本には、トート、ゴールデン・ドーン、エテイヤ(エッティラ)、メイザースなどの、どちらかというと一般的でない、オカルト系のタロットが解説されていた。 タロットといえば、ウェイトのものがメジャーだが、どうもウェイトのデザイン・センスはいまいちだと、わたしは思っていた。 そんなとき、『タロット秘密解読』に載っていたエテイヤ(エッティラ)のタロットを見て、そのデザインが気に入り、後に購入した。

しかし、大アルカナ22枚のカードからして、通常のタロットから逸脱しているエテイヤ(エッティラ)のカードの占法は、よくわからないものだった。 たとえば、数秘術的なものを多用しているのだが、どうもそこに統一性がなく、かなりどうにでもリーディングできてしまうもので、一生懸命に解説を読んでも、結局なんだかよくわからないものだった(いや、そんなことを言えば、そもそもウェイトのカードだって、背景となる知の体系のようなものがあやふやで、よくわからないという話もある)。

ちなみに、こういう気分は、セラピーの勉強をしたときにも感じたことがある。 つまり、クライエントの抱えている問題の焦点となるものや、適切な処置を、セラピストはさまざまな情報から推測して判断するわけだが、その方法というのが、かなりいい言い方をすれば、どうにもサイエンスというよりはアートという感じだった。

それはともかく、『タロット秘密解読』で紹介されている、その他のタロットも、オカルト系の知識がちりばめられており、何を結局どうすればいいのかわからないけれど、とにかく奥深いものであるという雰囲気が伝わってきた。 その後、タロットを使ったパス・ワーキングという魔術的な手法があることを知った。 パス・ワーキングというのは、カバラの生命の樹を結ぶ線の一本一本を、タロットのカード22枚に見立てて、瞑想する修行のことだ。 それで、この手の修行か、魔術結社の秘儀参入のような体験をすれば、体験的かつストーリーとして体系だてられた背景を実感でき、カードのリーディングが深まるらしい(?)・・・、とその頃は思ったものだ。

また、魔術書の中には、タロットそのものを解説したり、逆にタロットを使って魔術を解説したりしているものがある。 たとえば、エリファス・レヴィの『高等魔術の教理と祭儀』(生田耕作訳、人文書院、教理篇 1982年、祭儀篇1992年)は、えらくもってまわった語り口で、タロットの札の順番に魔術の理論を解説したものだ。 あるいは、より近代的な内容としては、アレイスター・クロウリーの『トートの書』(榊原宗秀訳、国書刊行会、1991年)があるだろう。

・・・いやいや、そんなこんなな本を、結構、一生懸命、昔読んでいたことを思い出しながら、本書を読んだ。

本書は、タロットの歴史を紹介した本としても読めるが、タロットを中心にオカルトの歴史を紹介した本としても読める。 そもそもは、コスプレ大名行列を元にした遊戯用カードだったタロット。 それが、その本来の意味が忘れられた後に、エジプト起源の叡智を秘めたとかいう伝説が付加されて、占いの道具に。 更には、魔術の道具へと変化していく様子を、本書では詳しく紹介しているが、これは、まるで推理小説でも読むかの如く、非常に圧巻だ。 すごくおもしろかった。

タロットの本来の姿が忘れ去られた後、ド・ジェブラン、エテイヤ(エッティラ)、エリファス・レヴィ、ポール・クリスチャンといった連中が、根拠のない思い込み、あるいはセールス・トーク、または「何か」がそこにはあるに違いないという強い信念により、意図的あるいは非意図的に、その場ででっちあげた古代の叡智やオカルトの体系を次々と付け足していく。 更に、神智学、黄金の夜明け、クロウリーなどと合流することで、カバラや東洋の叡智といった要素が付け加えられていく。 そして、ユングやニューエイジにより、とにかくどこかなんとなく似ていれば、なんでもかんでも結びつけられ、自分探しや癒しのツールとしての側面も持ち合わせるようになって、今日のタロットの姿になる。

さながら、萌え絵のトレーディング・カードが、ゲームとして世界を席巻。 そして遠い未来、本来それが何だったのかが忘れられてしまう。 その後で、誰かがあるとき、そこに偉大な神秘が体現されていると、妄想してしまったのが発端となる。 時代を経る毎に、そこにどんどん神秘的要素が付け加えられて・・・といった感じか。 人間の不思議さ、おもしろさというものが、まじまじと感じられた。

タロットを知りたい人には、非常におすすめの1冊。 ものすごくよかった。

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2004.10.03

滑るアトラクション

ネットワークの障害などでここのところ書き込みができなかった。

アミューズメントにも力を入れている牧場に行く。

今日は、一日天気が悪かった。 さすがに牧場は、アウトドア系の企画が多いので、悪天候にはあまり向いていない。

一番凄かったのが、牧羊犬が、羊を誘導するというアトラクション。 外気は10度ちょっとで、雨と冷たい風がふいている中での催しとなった。

問題は、牧羊犬。 天気が悪すぎて、会場内を走り回ってしまい、まったく羊飼い役の人の言うことを聞かない・・・。 羊の方は慣れたもので、牧羊犬が誘導にならないのに、ほぼ勝手に誘導されてしまった。

たぶん、これほどうまくいかないアトラクションというのは、まずそんなに見られるものではないような・・・。 雨の中、お疲れさまでした。

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2004.10.02

合成ドラッグ

ミシェル・オートフイユ、ダン・ヴェレア著、奥田潤、奥田睦子訳、『合成ドラッグ』、白水社 文庫クセジュ、2004年を読む。

本書は、原書が2002年に出ているという、比較的最近のドラッグに関する本。 取り上げられているのは、いわゆる麻薬が多いが、シンナーやドーピングの話も書かれている。

近年、レイヴ・カルチャーとその後の一般人への拡散により、化学合成系のドラッグが流行している。 本書は、そのような背景を受けて、どのようなドラッグがあり、どのように流通し、どのような作用があるのかを紹介している。

調子としては、強くドラッグの使用を戒める立場というよりは、価値中立を狙っている雰囲気で、中には効果が弱いとか、危険性が知られていないとか、そういう感じの記述がある薬物もあったりする。 主に批判対象となっているのは、市場に出回っている混ぜ物が多い薬や、明確に危険であることがわかっている薬などだ。

また、広く薬というものを見ると、もはや薬の開発と消費の拡大は前提として、今後の対応を考えるべきという姿勢が示され、更に消費者の自己選択といった側面にも話は及んでいる。 しかし、そういう高尚そうな話も、問題提起のレベルで終わっていて、それ以上ではなかったりする。 なんとも煮え切らない読後感なのだった。

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2004.10.01

PLUTO 1

浦沢直樹、手塚治虫著、『PLUTO (1)』、ビッグコミックス、2004年を読む。

これは、鉄腕アトムの「地上最大のロボット」を原作にしたマンガ。 ロボットの刑事ゲジヒトを主人公にして、同じく浦沢直樹の『MONSTER』『20世紀少年』のようなサスペンス調の作品になっている。 また、もう一つの浦沢直樹の魅力である、人間(?)ドラマも描き込まれている。

今回買ったのは、通常版だったが、手塚治虫の「地上最大のロボット」が同時収録されている豪華版でもよかったかも。 次巻に期待。

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