ヨイコノミライ! 2
きづきあきら著、『ヨイコノミライ! (2)』、ぺんぎん書房 SEED! COMICS、2004年を読む。
ゆうきまさみの『究極超人あ〜る』や木尾士目の『げんしけん』は、ダメなおたくなクラブ活動を、ダメな側に立って、ダメに楽しみを見いだしていくマンガだ。 これらでは、ダメなことは、決して悪いことではなく、むしろステータスだったりする。
一方、本書『ヨイコノミライ!』は、ダメのイタさを、本当にダメなものとして描いている。 登場人物も、電波系の「前世の誓いのあなた」脳内妄想による「押し掛け」女(参照: 押し掛け対策委員会準備室)、リスカ、自信がなくて消極的なデブオタ、すれた人気同人作家などなど。
勘違いしていて、思い込みとプライドだらけの人たち。 そんなメンバーばっかりだけど、何かを求めて集まったサークル。 その活動は、しょぼいかもしれないし、何もなさずに、ただ卒業までの間だべるだけで終わってしまうかもしれない。 それでも、メンバーは、そこに何らかの楽しみを見いだしているのだろう。
そんな中に、そんな連中のナイーブさを憎み、壊してやろうという異分子が入り込むのを描いたのが、この作品だ。 異分子は、美しくプロポーションのいい青木杏という少女。 それぞれ、微妙にもたれあっている連中を、手玉に取って、次々と調子に乗せることで、ぶつかりあわせる。
この巻では、青木自身のコンプレックスの原因の一端も噴出してくる。 果たして、このままサークルも自分も血の涙とともにとことん壊すのか、それとも破壊の果てに青木杏自身の後悔と改心を描くのか。 非常に続きが気になる。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント