Designing with Web Standards
Jeffrey Zeldman著、石田優子、ソシオメディア株式会社訳、『Designing with Web Standards -- XHTML+CSSを中心とした「Web標準」によるデザインの実践』、毎日コミュニケーションズ、2004年を読む。
理想的には、Webページは、本来の役目通りXHTMLでページの中身と構造を記述し、表現力のあるCSSでデザインを記述したいものだ。 それで、できればアクセシビリティにも注意を払いたい。
でも、実際にはなかなかそういうわけにはいかない。 W3CのXHTMLやCSSの仕様書に沿って、Webページを作成しても、何故か期待した通りには表示されないからだ。 HTMLとかCSSとかの辞典のような本を買うと、ブラウザごとの表示やサポート状況の違いが書かれていて、しかもそれが膨大多岐に渡るので、どうしたものかと途方に暮れたような気分になることもある。 もしも、ブラウザが仕様通りに表示してくれるようになれば、Webデザインの本はずっと洗練された記述が可能になるだろう。 もちろん、最近のブラウザは、一昔前のブラウザに比べれば、驚くほどまともに表示してくれるようになったが。
本書は、そういう状況を非常によく反映した内容になっている。 本書の基本的な姿勢は「できればXHTML+CSSで適切に記述してWebページを作ろう。でも、ブラウザ間の差異があるので、差し支えのない範囲でそれらにも対処しよう。また、見た目が変わってしまうようなブラウザでも、情報はきちんと表示されるようにしよう」というものだ。 そういう意味で、Webデザインの悩ましい問題に、ある種の解答を示してくれている。 悩んでいた人には、いい本かも。
ただし、歴史的経緯やブラウザ間の相違などの話題が長いので、ちょっとぐったり。 また、XHTMLやCSSの網羅的な本ではなく、経緯と思想とチュートリアルのような本なので、そのつもりで読んだ方がいいと思う。
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