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2004.11.04

スモールワールド・ネットワーク

ダンカン・ワッツ著、辻竜平、友知政樹訳、『スモールワールド・ネットワーク -- 世界を知るための新科学的思考法』、阪急コミュニケーションズ、2004年を読む。

本書は"Six Degrees -- The Science of a Connected Age"(2003)の翻訳。 これは、以前取り上げたアルバート・ラズロ・バラバシの『新ネットワーク思考』(青木薫訳、NHK出版、2002年)と同様に、スモール・ワールドなネットワークの構造を紹介した、どちらかと言えば一般向け解説書。 読みやすさ、理解しやすさで言えば、『新ネットワーク思考』。 より多様で新しい話題がフォローされているという点では、本書『スモールワールド・ネットワーク』という感じ。

スモール・ワールドというのは、一言で言えば「世間は狭い」と感じるようなネットワーク構造になっているものだ。 そして、ダンカン・ワッツは、このようなネットワークは数学的にはどのように表現されるのかを発見した人。 一方で、『新ネットワーク思考』のバラバシは、そのようなスモールワールド・ネットワークの一部が、巾乗の分布をしたスケールフリーなネットワークであることを発見した人。

そういう人たちによる興味深い研究の成果を平易に解説した本書だが、読んでいくと、スモールワールドのネットワークの数理の初期の発見は、非常に偉大なブレイクスルーではあったが、その後は壁にぶつかっているという印象を受けた。 正確に言えば、複雑なネットワークに関して、シンプルで意味のある原理が発見されたが、その後は様々な事象の複雑さの海に再び埋没してしまっているという感じ。 そんな苦悩がはしばしから伝わってきてしまう。 もっとも、これは原理面の話で、応用というか実例に沿った細かい分析は今後どんどん出て来ると思われるが。

なお、本書には、かなりしっかりした訳者解説がついていて、非常に役に立った。

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