ケータイは世の中を変える
T.コポマー著、川浦泰至、溝渕佐知、山田隆、森祐治訳+解説、『ケータイは世の中を変える -- 携帯電話先進国フィンランドのモバイル文化』、北大路書房、2004年を読む。
フィンランドは、携帯電話の普及が、一番早い時期に進んだ国だ。 たとえば、携帯電話のノキアは、フィンランドのメーカーである。
本書は、そんなフィンランドで行われた、携帯電話の社会学的、心理学的調査を一般向けに紹介した本だ。 どうやってケータイが使われているのか、スケジュールや待ち合わせの変化、短い文字メッセージの交換の世界、公共の場でのケータイの利用、人と人とのつながりに与えた変化などが、書かれている。 インタビュー記事の抜き書きも多く、生の声を感じられる。 また、日本での事情に関しても、日本の研究者により、章が付け加えられている。
書かれていることは、携帯電話の利用者にとっては、非常に当たり前のことが多い。 しかし、当たり前のことであっても、それをわたしたちは明確に言語化しているわけではなく、こうしてまとめられたものの存在は、何かを考えるときには非常に役に立つだろう。 当たり前の現象であっても、それをリーズナブルに言語化して説明することは、とても重要なのだ。
読んでいて気づいたのは、同じ現象でも、人によって全然異なった感想や意見を持っているということだ。 たとえば、公共の場でのケータイの利用に関する意見とか。 これもある意味、当たり前ではあるが、いろいろと考えさせられることが多かった。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント