雲のむこう、約束の場所
新海誠監督作品、『雲のむこう、約束の場所』を観に行く。
新海誠は、『ほしのこえ』という25分のアニメ作品で有名。 『ほしのこえ』は、PowerMac G4を使い、個人で作成したということも話題になった。
今回の『雲のむこう、約束の場所』は、オルタナティブ・ヒストリーもののSFで約1時間半の作品。 やはりメインにMacを使って作成されており、メイキングが、Appleのサイトで紹介されている。
ストーリーは、1970年頃に、日本が津軽海峡で南北に分断され、緊張状態にある。 北海道は蝦夷と呼ばれ、ユニオンという国家になっている。 蝦夷の中心には、謎の高い塔がそびえている。 この塔は、場合によっては東京からでも見ることができる。 塔は、平行宇宙に関する機能を持っているらしいが、その詳細は日本側には不明だ。 青森の中学生、藤沢浩紀と白川拓也は、その塔まで行ってみたくて、ひそかに飛行機を作っている。 そして、その同級生の沢渡佐由理の3人組。 その青春の日々と、終わり、再生を描いたのがこの作品。
人が人を想う気持ちの豊かさを、淡々と、しかし熱く語っている。 見ていて、一人一人の人間の能力の範囲で、大きな物語を描こうとしたため、国家の統制のレベルが結構お粗末になってしまっているのが、ちょっと気にはなった。
ちなみに、作品の出来とは関係ないが、青森のネイティブの少年少女たちは、たぶん、この作品みたいな口調では話さないと思う。 これは、以前に、葛西伸哉の小説、『世界が終わる場所へ君をつれていく』のときにもそう思った。 もっとも、その辺をリアルにしてしまうと、相当違和感のある作品になってしまいそう。
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