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2005.01.28

ぼくのためのきみときみのためのぼく

きづきあきら著、『ぼくのためのきみときみのためのぼく』、ぺんぎん書房 SEED! COMICS、2005年を読む。

本書は、以前取り上げた、おたくサークルのダークサイド・ストーリー『ヨイコノミライ』のきづきあきらの新刊。 といっても、同人時代に描いた作品を集めたもの。

相当初期の作品らしく、絵の技術は最近の作品と比べると低く、人物は一瞬、版画で描かれたようにも見えた。 しかし、ストーリーというか、描いている内容は、遜色ない。

現在連載中の『ヨイコノミライ』では、主人公が、おたくサークルに集まる連中の内面のダメというか、ダークというか、どうしようもない(この言葉の持つ多義性にそのまま相当する)部分を炙り出して、壊していく様子が描かれている。

本書に収録された作品も、そういった部分がテーマになっていて、この世界からはみ出してしまっている感覚に、圧倒される。 中には、はみ出して、そして、救いようがない結末を描いた作品がいくつかある。 それらの殺伐として、ストンと落ちて、やり切れなさが漂う感覚に、妙にリアリティを感じてしまう。

初期の作品から、こういうテーマを描いていたのかと、ちょっとびっくり。

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