オリンポスのポロン 1、2
吾妻ひでお著、『オリンポスのポロン (1)、(2)』、ハヤカワコミック文庫、2005年を読む。
本書は、秋田書店の少女誌「プリンセス」に1970年代後半に連載された『オリンポスのポロン』と、双葉社のたぶんこどもマンガ雑誌(?)と思われる「100てんコミック」に1980年代前半連載された『おちゃめ神物語コロコロポロン』を収録した作品集。 書き下ろしも10ページ程度ずつおさめられている。
この作品が描かれた頃は、吾妻ひでおが非常にたくさんの作品を描いていた時期。 その中でも、本作は、ギャグやストーリーはかなり控え目気味。 特にコロコロポロンの方は、こどもをかなり意識した構成になっている。 普通は、楽屋落ちに、変な趣味的なネタ、うまくいかなくてダメだあという表現が、バンバンでてくるだけに、本作は、物足りないか、新鮮に感じるかのどちらかかもしれない。
この作品は、アニメ化されており、これは後に描かれた『ななこSOS』も同様。 ただし、このマンガは、普通に作品をアニメにしようとすると、1話あたり、数分程度になってしまう。 また、ギャグに比重があり、しかもドタバタものなので、ストーリーとしては微妙。 このため、アニメ版の方はかなりアレンジが入っていて、30分もののストーリー構成に、山本正之の曲(「根が明るい音頭」ほか)、登場人物の心情描写などが増えている。 また、ギャグも、普通のテレビアニメのものになっていた。
というわけで、原作といっても、かなりアニメとは違う。 とは言うものの、今回原作を読んで気づいたのだが、けっこう、アニメの方では、『オリンポスのポロン』の話を原型に使って、30分に引き延ばした話もあった。 もっと、全然違うと思っていただけに、これにはびっくり。
なお、今後、『ななこSOS』も文庫化するとのこと。
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