よくわかる現代魔法 jini使い
桜坂洋著、『よくわかる現代魔法 -- jini使い』、集英社 スーパーダッシュ文庫、2005年を読む。
これは《よくわかる現代魔法》シリーズの4巻目。 このシリーズでは、効率の面で科学に大いに劣っていたため廃れた古えの魔法が、現代的にコンピュータのプログラムの技術を利用して、リバイバルしている世界を描いている。 ただし、リバイバルといっても、そのような技術を使えるのは、ほんの一握りの人たちで、一般の人たちはそのような事実を知らない。
登場人物は、そのような現代的な若い女魔法使い、古えの魔法を引き継ぐ銀髪の美少女、そしてその力を手に入れようとするものたちなど。 しかし、彼らは主人公ではない。 主人公は、現代的な魔法使いに弟子入りしたが、なんでもかんでも落下してくる金だらいに魔法の力を変換してしまうことしかできない、森下こよみ。 どじで、幼い外見で、高校生なのに、小学生にしか見えない。 この脇役の誰よりも役に立たなそうな少女が、それでも事件を打開する鍵となって、ストーリーは進んでいく。
この巻では、Java関連のテクノロジーである「jini」というタイトルが暗示しているように、さまざまな電子機器に組み込まれたコンピュータで走るコードたちと、対話する指輪を持った家出少女・笑が現れる。 彼女が潜伏している建物の中で、陰謀が進行し、主人公たちがひきよせられてくる。 そして、その陰謀との戦いを経て、笑は自分を見いだしていく。
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