All You Need Is Kill
桜坂洋著、『All You Need Is Kill』、集英社 スーパーダッシュ文庫、2004年を読む。
桜坂洋と言えば、先日紹介した《現代魔法》シリーズの作者。 本作は、近未来の地球を舞台にした強力な敵との戦争ものSF。
もしも、自分が死に、気がつくと時間が2日ほど戻っていて、そこから再び繰り返されるといった事態に巻き込まれたらどうだろうか。 本作は、そんな事態に巻き込まれた新人兵士キリヤ・ケイジの物語。
再び繰り返されるといっても、行動が完全に定まっているわけではなく、無数の時点で他の行動を取ることが可能で、その結果によって、その後の展開が変わってくる。 さながら、RPGで死んだら、セーブしたところからやり直しになるといった状況。 しかも、記憶だけはちゃんと引き継がれる。
キリヤ・ケイジは、とにかく生き残るために、戦闘方法を訓練し、異なった選択肢を試し、強大な敵ギタイと戦い続けるが、毎回死んでしまう。 その戦いは、あまりに孤独で、あまりに孤立無援だ。
戦いの果てに、少女と出会い、そして、何かが変わるのだが、それはあまりに代償の大きな変化となる。
無限のトライアル可能性を持った人間の孤独と、それでも存在する限界の悲しさを描き出した作品。 よかったと思う。
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