魂の螺旋ダンス
長澤靖浩著、『魂の螺旋ダンス -- はるかなる今ここへ』、第三書館、2004年を読む。
本書は、精神世界的な視点で宗教の歴史と自身の遍歴を語った本。 基本的に、「部族シャーマニズム」(インディアンの宗教とか)→「国家宗教」(神道とか)→「超越性宗教」(親鸞とか)→「絶対性宗教」(キリスト教とか)→・・・という、螺旋を描いて話が進められる。 なお、それぞれの宗教が発展していく中で、これらの段階を踏んでいくこともあるわけで、()の中に書いたのはかなり大雑把にまとめもの。
本書の見所は、自分の実感を元に、カルト的な宗教の問題や、神秘体験に関して語っている部分。 たとえば、ライフスペースで行われたシャクティ・パットのワークショップに参加して、そこで経験した極めて強烈な至高体験の凄さを紹介する。 そして、その体験により、オウム真理教の麻原彰晃やライフスペースの高橋弘二を絶対視してしまいかねない危険性を、リアルに語っている。 神秘体験は、神秘体験を引き起こす技術により引き起こされるもので、そのスキルの保持者の人間性や精神性や霊性を保証するものではないというのは、まったくその通りだと思う。
一方、個人的には、宗教史の部分は、ともすれば精神世界的で、ロマンティックに傾き、どうかなと思った。 この本の真骨頂は、自分の実感を元に語っている部分で、同時代的に体験していないことを語っている部分には首を傾げてしまうこともあった。
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