マジック・マスター 11
黒沢哲哉原作、阿白宗可漫画、柳田昌宏監修、『マジック・マスター (11)』、スクウェア・エニックス ガンガンコミックス、2004年を読む。
本書は、以前9巻を取り上げた『マジック・マスター』の最新刊にして、最終巻。 9巻から続いていた、マジック・トーナメントの結末が描かれる。
これまでは、手品とそのタネを紹介してきた『マジック・マスター』だったが、ほとんど奇跡(しかし、ほとんど実在のマジックらしい)の領域に踏み込んだ最終巻では、一部の例外を除いて、タネは明かされなかった。 明かされているタネも、ほとんど人間の限界に挑戦しているとも言えるようなすごいものだったりする(本シリーズの監修の柳田氏が5年の練習の末に修得したものだとか)。
しかし、それにしても巻末の解説を読んでいて驚いたのは、本書に出てくるマジックの奥義が記された本『聖杯の書』に元ネタがあったという話。 しかも、本書に描かれたようにマジックの大会があり、その5連覇を成し遂げた人に贈られることになっているとか。 実際にそんな話があるとはびっくり。
なお、本書は、描ききれないものを理解していて、敢えて描かないという、潔い選択をして終わった。 『ガラスの仮面』のように挑戦し続けるのとは、対極にある終わり方だったと思う。
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