世界の終わりの魔法使い
西島大介著、『世界の終わりの魔法使い』、河出書房新社 九龍コミックス、2005年を読む。
本書は、以前『凹村戦争』を取り上げた西島大介の最新描き下ろし長編コミックス。
1000年前の魔法大戦で、星々をまたにかけて大殺戮を行った魔王が封じられ、その後忘れ去れてしまった辺鄙な世界が舞台。 この小さな世界では、魔王の魔力の影響か、みんなが魔法を使えるようになってしまっている。 その中で、ただ一人、魔法が使えず、魔法を憎み、科学で飛行する機械を作っている少年ムギが主人公。 ムギは、ある日、魔物に襲われたところを、少女に助けられ、親しくなるとともに、世界の秘密と触れ合うことになるというお話。
西島大介の独特のポップな絵柄と、読む者が何かを投影せずにはいられない、シンボリックな断片を散りばめた物語の組み合わせが、不思議な魅力を作っている。 どことなく、エヴァンゲリオンを思い出させるイメージ(包帯少女、白い翼の生えたワニっぽい魔物など)を描きながらも、ストーリーとしては全く違う方向に突き抜けていた作品。
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