« 宜保愛子スペシャル -- 私の不思議体験編 | トップページ | けなす技術 »

2005.03.28

エンプティチェアテクニック入門

百武正嗣著、『エンプティチェアテクニック入門 -- 空椅子の技法』、川島書店、2004年を読む。

本書は、ゲシュタルト・セラピーの代表的な技法である、エンプティ・チェア(empty chair)について説明した本。 非常に簡潔にまとめられている。

エンプティ・チェアというのは、内的な葛藤などを具体的に表面化させる技法だ。 まず、二つ(あるいはそれ以上)の椅子などを並べて、それぞれの椅子に、焦点を当てたい対象、たとえば、人物、気持ち、身体症状などを割当る。 そして、椅子を移動しながら、割当てられたものそのものになって、感情を表出する。

たとえば、しなくてはならない仕事があるのに、それをしない自分がいるとする。 そんな葛藤を、片方の椅子には「仕事をしたくない自分」、もう片方の椅子には「そんな自分をどやしつける自分」と割り振ってみる。 そして、それぞれの椅子に交互に座って、反対側の椅子に思っていることを語る。

すると、その対立や構造といったものが、具体的に表出され、何かが起こる。 この体験は、感情が大いに動かされることがある。 そして、今まで気づかなかったことに気づいたりすることがある。

本書には、このようなエンプティ・チェアの技法が具体的に解説されている。 載っているエクササイズを、実際に自分でやってみると、大きく感情が動かされる人もいることだろう。

なお、強く感情が動く体験は、個人にリアリティをもたらすものだ。 しかし、実際には、必ずしも、本当に問題の本質を捉えているかどうかはわからない。 コールド・リーディングに極めて近いことを、非意図的にしている可能性もあることには、心にとめておきたい。

ものごとには、光と影の側面がある。 たとえば、自己啓発セミナーのライフダイナミックスのロバート・ホワイトの著書などによれば、ゲシュタルト・セラピストのジョン・B・エンライトが、そのプログラムのデザインに寄与したという。 また、本書の著者である百武正嗣氏が、親しくしていたゲシュタルト・セラピストのポーラ・バトム女史(本書にも思い出が語られている)は、自己啓発セミナーのWe Canと関係があった。

ポーラ女史は、ゲシュタルト・セラピーの創始者であるフリッツ・パールズの弟子で、晩年の十数年間を日本で過ごし、ゲシュタルト・セラピーを行った。 強烈なフリッツ・パールズとは対照的に、穏やかなセラピーを行う人だった。 そんな彼女が何故?とわたしは思わずにはいられなかった。 いつか、本人に聞いてみたいと思っていたが、彼女は、病を患い、ハワイに移り、2001年に亡くなられてしまった。

|

« 宜保愛子スペシャル -- 私の不思議体験編 | トップページ | けなす技術 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/11321/3478611

この記事へのトラックバック一覧です: エンプティチェアテクニック入門:

« 宜保愛子スペシャル -- 私の不思議体験編 | トップページ | けなす技術 »