電波男
本田透著、『電波男』、三才ブックス、2005年を読む。
本書は、サイト「しろはた」の本田透氏による、オタク・二次元革命の400ページを越える思想書。 『電車男』のパロディなタイトルだが、中身は全然小説でも、掲示板のログでもない。 オタク・二次元万歳!を叫んだ本。
本書で提示されている思想は、非常に単純に言ってしまえば、こんな感じ。
二次元(=妄想、理想)と醜い三次元(=現実)の間には超えられない壁があり、現実は理想に敵わない。 現実なんてものは、結局のところ、イケメンだけが得をする、メディア産業に踊らされる恋愛資本主義の金とセックスの醜い世界だ。 キモメンは、こんな世界には参入せず、脳内妄想の理想に萌えるのだ!
最初から不利な戦いが決定づけられているのなら、参戦しなければいいと叫んだ、すごい本。 結局のところ、これは、本物や現実と、妄想や理想とどっちがいいかという戦いで、後者の方がいいんだというスタンスも強烈。 本書を貫くのは、ずっと真実の愛を探し求めていたのに、ここ(三次元)にはなかったという魂の叫びだ。
しかし、最終章では、未来予想図と現実的な処方箋を描いているが、現実とのソフトランディグ路線で、トーンが落ちてしまっている。 これはなかった方がかっこよかったような。
本書の内容がどのくらい適切かはおいて、すごい内容だった。 というか、Amazonのカスタマレビューがすごいことになってます。
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