Web Designer 2.0 進歩し続けるWebデザイナーの考え方
長谷川恭久著、『Web Designer 2.0 進歩し続けるWebデザイナーの考え方』、ソシム、2005年を読む。
本書は、以前取り上げた『スタイルシート スタイルブック』の著者の一人による、最近のWebデザインの流れに関する本。
昔から、Webデザインは理想と現実の狭間にあった。 HTMLやXHTML、CSSの仕様というのは、決まっていて、公開されている。 しかし、これらの仕様に沿ってWebページを作成しても、現実には適切でないことがある。
というのも、Webは、Webブラウザを通じて見ることがほとんどで、現実には、そのときどきのWebブラウザ、そして過去のWebブラウザというアプリケーションに縛り付けられている。 そして、Webブラウザは、仕様を100%サポートしていないし、下手をすると間違って実装されていたりするからだ。
一昔前は、table要素、一辺1ピクセルの透明GIF、etc.を使って、ページのレイアウトを行うことが多かった。 しかし最近では、MovableTypeなどの登場やGoogleの検索アルゴリズムの影響、そしてWebブラウザの標準化が進んだことで、HTMLやXHTMLをきちんと書いて、CSSで見栄えをコントロールするという方向に移行しつつある。 ページも、最初に基本的なデザインはしっかり手でやって、その後でCMSを使って作るという雰囲気になりつつある。
本書は、そういう理想と現実の狭間で、現在進行形のWebデザインのトピックを、短くまとめたもの。 全体像をさらっと読みたい人向けの本。 巻末のURL集はなかなか便利。 一方、XHTML+CSSのさまざまなテクニックとか、CMSの選択とか、SEOの効果的な方法とか、各論を詳しく知りたい人向きの本ではない。
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