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2005.04.01

レフトビハインド

ティム・ラヘイ、ジェリー・ジェンキンズ著、上野五男訳、『レフトビハインド』、いのちのことば社、2002年を読む。

本書は、元牧師のティム・ラヘイと作家のジェリー・ジェンキンズによる、現代に聖書に書かれたハルマゲドンが起こったらという設定で書かれた小説。 現在、アメリカでは13巻まで出ていて、継続中。 映像化までされている。 邦訳は、5巻目まで出ている。

お話は、旅客機のパイロットのレイフォード・スティールとその娘クローイ、そしてグローバル・ウィークリー誌の若い記者で何度も有名な賞をもらっているバック・ウィリアムズを中心に進む。 ある日、レイフォードが操縦するジェットでバックが移動中に、地球上から、大量に人間が消失してしまう事件が発生し、大混乱になる。

これ、実は、携挙(けいきょ: rapture)が起こったという話。 携挙というのは、黙示録に書かれた戦いがはじまるのに先駆けて、信心深いクリスチャンが、天国に挙げられるというもの。 それで、天国に挙げられないで、残された人々(レフトビハインド)を描いたのが、このシリーズだ。

人々は一体何が起こったのかわからず、新兵器や宇宙人の侵略などの説も出る。 レイフォードは、妻と一人の子どもを失い、途方に暮れる。 しかし、信仰に目覚め、教会の主要メンバーになり、この困難な時代に立ち向かおうとする。 一方、バックの方は、取材の中で、混乱の隙間をぬって、反キリストによる世界統一政府の樹立の陰謀に遭遇するというもの。

参考: いのちのことば社のレフトビハインド・シリーズ紹介のFlash

クリスチャンなら、終末のときはいつ来るかわからない、それは今この瞬間かもしれない、それに備えておきなさいという話を聞いたことがあるかもしれない。 それが、現代に、実際に起こって、信心深くない自分が取り残されたらこうなりますという小説で、なかなか強烈。

展開はかなり大味だが、一方で、あんまり信心深くなかったクリスチャンの気持ちをリアルに書き、その人たちが回心するプロセスがていねいに書かれている。 なにしろ、あんまり信心深いない状態の言動の方が共感を覚えるくらいだ。 むしろ、回心してからの方が、変なものにはまってしまった人に見えたりもする。

たとえば、携挙されたレイフォードの妻は、新しい教会に通うようになって、熱に浮かされたように信仰にいれこむようになる。 それについていけないものを感じたレイフォードは、他の女性に心ひかれてしまっているというのが、ストーリーの出だしなのだ。

それはともかく、既に、この巻だけでも500ページ以上もあるけれど、これがあと最低でも12巻はあるってことなんでしょうか。 うーん。

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