ハツカネズミの時間 1
冬目景著、『ハツカネズミの時間 (1)』、アフタヌーンKC、2005年を読む。
これは、管理された学園を舞台に、思わぬことから自由になるための戦いへ赴かざるをえなくなった少年少女の物語。 管理と言っても、蒼崚学園は、多大な力を持った製薬系の企業に統治され、生徒はみんな(少なくとも記憶の範囲では)外に出たことがない。 英才教育機関であると、生徒には信じさせているが、実際の正体は不明だ。 そして、そこに暮らす少年の前に、かつて外の世界に逃亡した少女が帰ってきたことで、昔の記憶がよみがえり、学園の偽りの姿が垣間見えてくる。
わたしにとって、管理された学園ものは、どことなくレトロな雰囲気がして、懐かしさを感ぜずにはいられない。 本作品は、そういう意味でバッチリ。 恩田陸の『ロミオとロミオは永遠に』(早川書房、2002年)以来な感じ。 もっとも、こういう設定の場合、理論的に破綻したり、支配側がお間抜けになってしまったりすることがあるので、期待と不安が半分半分でもあるのだけれど。
次巻に期待。
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