荒野の恋 第一部 catch the tail
桜庭一樹著、『荒野の恋 第一部 catch the tail』、エンターブレイン ファミ通文庫、2005年を読む。
本書は、現代の鎌倉が舞台の少女の成長を描いた恋愛小説。
主人公の名前は山野内荒野、恋愛小説家・山野内正慶の娘にして、中学1年生。 昨日までは、恋や愛なんて他人事だった眼鏡の少女。 その荒野が、大人の世界へ気がついたら踏み込んでいくのが、この物語。 その過程が、実にていねいに、みずみずしく、奇跡のように描かれていて、驚き。
友だちとのたわむれ。 背伸びした少年。 恋多き父親。 大人の女。 体の成長と性徴。
と、やぶうち優の『水色物語』のようにも思えるが、全然、ベクトルが違う。
SFでもファンタジーでもない。 しかし、それでもライトノベルのエッセンスというか、イデアのようなものが確かにある不思議なすごい作品だった。
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