装甲騎兵ボトムズ AT Stories
岡島正晃作、曽根由大画、矢立肇、高橋良輔原作、『装甲騎兵ボトムズ AT Stories』、アクション・コミックス、2005年を読む。
本書は、30代前後の読者を想定していると思われる、ガンダムをはじめとしたメカの特集雑誌「GREAT MECHANICS」で連載されているコミックの単行本1巻目。 ストーリーは、基本的には毎回1話完結のアンソロジーで、TV版の「装甲騎兵ボトムズ」の同時代を描いている。 取り上げられる題材は、暗殺部隊、バララントの血をひくギルガメス兵、バトリングなど。
コミックス単体としては、十分に成立している作品だった。 ただ個人的には、TV版とはどこか雰囲気が異なっているような感じがして、気になってしまう。 もっとも、これは《青の騎士ベルゼルガ物語》や「ビッグバトル」《赫奕たる異端》などの場合にも同様に感じたことなので、致し方ないことなのかも。 TV版は、わたしの中では美化されている可能性が高そう。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
TV版を改めて見るとそれなりにがっかりしますが、リアルタイムで見ていた時の作品世界のできばえを思い出すと、another story達は本作品から遊離していると思えてしまいます。
キャスティングも郷田ほずみの演技のなさがよかったりしますし。
しかし、老いも若きもふる〜い作品を中心に回っている感じがしてしまうのは私だけでしょうか。
投稿: sok | 2005.05.03 01:41
たぶん、TV版を見ると、ATの作画のひどさや、顔が2種類あるのに、うーんと思うような気がします。それでも、何か一つの雰囲気を作っていたような印象があります。続く作品の中で、この雰囲気が、かろうじて保たれていたのは、「ザ・ラストレッドショルダー」と「野望のルーツ」だけだったような気がする。
あと、新しい作品もそれなりにあって、人気もあると思う。けれど、ガンダムがいい例で、一度、人気を博すると、それが利用されるようになり、コンテンツが充実し、知名度も上昇し、マーケティング的に重要になり、ますます利用されるようになるというサイクルがあるのではないかと。また、30代前後の層の人口が多いので、そこをターゲットにして、かつ過去のコンテンツを再利用するのは、コストパフォーマンスもいいような。
もしかすると、わたしたちは、ガンダムがミッキーマウスやマーベル・コミックス化していく過程を、目撃し続けているのかもしれないと思うのでした。
投稿: ちはや | 2005.05.03 15:45