ヴァンパイア ダークストーカーズ コレクション
PlayStation2用の対戦格闘ゲーム、「ヴァンパイア ダークストーカーズ コレクション」、CAPCOM、2005年を買う。
「ヴァンパイア」は、アーケードで初めて出た当時、けっこう、印象的なゲームだった。 当時、格闘ゲームは求道者のゲームとなっていて、閉塞感が漂っていた。 そこへ、昇竜拳の入力(前、下、前下)をZ型の入力でできるようにするなど、参入の敷居を下げたり、空中のガードやガード中の入力で反撃できるなど、あえてセオリーを崩したシステムを持ち込んだ。 また、キャラクターにも吸血鬼などのモンスターを採用し、それぞれのキャラクターの性質に合わせた特殊な攻撃を用意。 さらに、本来であればダークな印象を与えるキャラクターに、あえてアニメチックな演出を施すなど、その意外さが記憶に残る作品だった。
それで、今回出たゲームは、「ヴァンパイア」のシリーズ5作品全部が遊べるというもの。 さらに、隠し要素が多数あり、中にはボタン入力を組み合わせることで、基盤のバージョンが選べたりするという、コアなファン向けの仕様になっている。
個人的には、初代、2作目付近までは、強くはないものの、一通り全部のキャラクターを使って遊んでいたが、3作目くらいから、ボリュームが大きすぎてついていけなくなったような記憶がある。 ふと、手元に、電波新聞社から出ていた「ALL ABOUT ヴァンパイア セイヴァー」という、3作目のゲームの解説書があったので見てみた。
この本、1997年に出ているが、なんと総ページ数416ページ。 その内、キャラクターのゲームの戦略に関するスペックだけでも300ページ近くあり、キャラクター別に攻撃の組み立て方が詳しく紹介されている。 基本スペックに関しては、攻撃の発生のタイムチャートが1/60秒単位、攻撃値とダメージ量の算出、投げ間合いのドット数など、読むだけでも大変な膨大なデータが載っている。 いかに、当時、格闘ゲームが求道的なものだったかがよくわかる。
結局、参入障壁が低かろうと、公開されて時間がたったり、基盤が出回ったりすれば、詳しく攻略される。 ゲームも新作になるごとに、キャラクターが増え、要素が増え、データ量が増える。 この流れは必然だったのだろう。
もはや、ゲームセンターに出かけても、「ヴァンパイア」シリーズそのものが稼働していて、しかも対戦で盛り上がっている状況は、少なくとも身の回りでは見られない。 家庭用ゲーム機で思いっきり、精進できるようになったものの、ノスタルジーにひたって、プレイするだけになった。 途中で、シリーズから脱落したわたしにとっては、このゲームはあまりにボリュームが多すぎる。 それでも、「おお、これは」という(当時の)「新しさ」が感じられる。 一時代を築いたこのゲームをプレイしながら、ゲームのことを考えてみたいと思った。
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