富野に訊け!
富野由悠季著、『富野に訊け!』、徳間書店、2005年を読む。
これは、月刊「アニメージュ」誌上で行われている人生相談の単行本。 人生相談と言えば、寺山修司の高校生向きの学習雑誌で連載されたブッチギリな人生相談や、ガッツ石松のネットワークビジネス雑誌で連載された謎な人生相談(当然、ネットワークビジネス関係の質問ばかり)と、記憶に残るすごいものがいくつかあった。 本書は、それらの中でも、個人的に自分の年齢を深く感じた一冊となった。
本書で取り上げられている相談は、自分の生き方、アニメを中心とした仕事、人と付き合うことなど。 それに答える富野監督の言葉は、相当に真剣なものだ。
かつて、中学生、高校生の頃、富野監督のインタビューを読んだ時に、なんだかよくわからなかったり、変な主張だったりすることもあるが、ガンと自分の意見を言う人だなと思った。 若い人に向けて語ったメッセージもあったが、ピンと来なかった記憶がある。
しかし、今回、本書を読んで、自分の場合、年齢を重ねてはじめて「ああ、そういうことだったのか」と伝わってくるものがあった。
簡単に何かができたり、手に入れたりできるものではない。 才能と努力とやる気のなさを知れ。 自分を磨け。 日々、努力し、続けよ。 長い先を見ろ。
当たり前と言えば、当たり前かもしれないが、このメッセージが昔はわかっていなかったと思う。 いろいろと回想してしまうのだった。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント