ねじの回転
ヘンリー・ジェイムズ著、南條竹則、坂本あおい訳、『ねじの回転 -- 心霊小説傑作選』、創元推理文庫、2005年を読む。
本書は、『宗教的経験の諸相』で有名なウィリアム・ジェイムズの弟であるヘンリー・ジェイムズの、日本独自の短編集で、すべて新訳。 収録されているのは表題作の他には、「古衣装の物語(ロマンス)」「幽霊貸家」「オーエン・ウィングレイヴ」「本当の正しい事」。
本書に収録されている作品のうち、いわゆる怪談は、数え方にもよるが3つか、4つ。 何に起因するのかはわからないが、いままで自分が抱いていた怪談に対する雰囲気と、どれもずいぶん異なった感じがする作品だった。 ただ、クライマックスを書くための「溜め」がなかなかだるい。 もっとも、これは新訳の調子によって、随分救われている。
なお、表題作の「ねじの回転」だが、わたしには、途中から怪談というよりは、毒電波な英国風エロ小説に思えてきておもしろかった。 というか、腐女子が主人公ですか、これは?という感じ。
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