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2005.07.31

サマー/タイム/トラベラー 2

新城カズマ著、『サマー/タイム/トラベラー 2』、ハヤカワ文庫JA、2005年を読む。

以前1巻を紹介した、ちょっと大人びた少年少女たちの一夏の事件を綴った『サマー/タイム/トラベラー』が完結。 この巻へ来て、非予定調和なストーリー展開で、驚かされた。

スターウォーズ Ep. III は、前後が綿密に決まった物語に、予想される物語をとことんがんばって語った物語だとすれば、『サマー/タイム/トラベラー』は最後の暗示だけが最初から語られている物語で、後半に入ってから想像の範囲外の物語を語りまくった作品だと言える。 一種のミステリーを読んでいるのような気分になったところもある。

先が読めてしまう少年少女たちが、自分の未来に閉塞感を感じている。 だから、『うる星やつら 2 ビューティフル・ドリーマー』のように文化祭の前日が永遠に続いているような、そんな祭りに興じている。 しかし、そんな日が永遠に続くわけがないとわかっているのは、他でもない、当人たちだ。

世界からはみだしてしまった少年少女たちの中に、一人、世界とともに生きている少女がいる。 異分子の中の異分子に、異分子たちは世界との繋がりを見ていた。 少女が時空を駆け抜ける力を発現させてしまったことで、人間関係のバランスが崩れ、世界に波紋がひろがる。 それでも、やっぱり大差ない世界ではあるのだけれど、でも、思っていた通りでもないもんでしょという、未来に希望を感じてしまうのだった。

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