超人計画
滝本竜彦著、『超人計画』、角川書店、2003年を読む。
本書は、ひきこもり系ダメダメ小説『NHKへようこそ』で有名な滝本竜彦の連載をまとめたもの。 単純に言えば、作者がニーチェの言うところの「超人」になろうという連載企画・・・という話だったのだが、実際には「彼女を作ること」に主眼が置かれている。
ひきこもりで、20代前半にして髪が薄くなり、腐海のようになった部屋・・・、趣味はアニメにマンガにエロゲーで、ヘビースモーカーで、ルサンチマンに満ちている・・・。 超人になれば・・・、彼女もできて、小説もベストセラーで、ひきこもりも脱却できる・・・わけがない。 そもそも、最初から野望と努力方向が間違っているとしか言いようがないような、奮闘が続く。 出会い系、育毛、NHKの出演、幻覚キノコ、企画デート・・・。 何をやっても、ブっちぎりの痛い話になってしまい、全然、光明が見えない。
本田透の『電波男』と、方向性は違っても魂の叫びには似たものを感じてしまうのだった。
ちなみに、この本の連載は2003年のもの。 今年の冬くらいから、彼女ができたと「ダ・ヴィンチ」や「ファウスト」で書いている。
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