魔女の死んだ家
篠田真由美著、『魔女の死んだ家』、講談社、2003年を読む。
これは、先日紹介した『神様ゲーム』と同様に「かつて子どもだったあなたと少年少女のためのミステリーランド」という叢書の1冊として発売された本。 『神様ゲーム』がおもしろかったので、読んでみた。
篠田真由美は、〈龍の黙示録〉や〈建築探偵〉などのシリーズが有名。 鮮烈なイメージを喚起させる描写が特徴的な作家。
本書では、ある大きな西洋館で起きた事件が取り扱われている。 死んだのは、女主人。 たくさんの男性を魅きつけ、屋敷には毎日のように何人もの男性がやってくるという、魔性の女。 ある日、かつて子を成した相手の男性と2人きりの密室で、頭を拳銃で打ち抜かれた状態で発見される。 この事件を、様々な人間の証言から構成していくのが本書だ。 芥川龍之介の「薮の中」のように、女主人の魅力に取り憑かれてしまった各人の証言は非常に異なっている。
とにかく女主人の魅力を綴り上げた作品だった。
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