素数ゼミの謎
吉村仁著、石森愛彦絵、『素数ゼミの謎』、文藝春秋社、2005年を読む。
一瞬、最初、数学のゼミに関するミステリー小説かと思って手に取ったが、実は蝉の生態を解き明かす一般向けの科学解説書だった。
アメリカで17年ごとに局地的に大発生する17年ゼミ。 また、13年周期の13年ゼミもいる。 普通、日本のセミは6〜7年で成虫になるが、環境によって成虫になる期間にはばらつきがあるし、局地的に大発生したりしない。
このような不思議な17年ゼミの生態を解き明かしたのが、本書だ。 本書の元になっているのは、1996年に出版された論文。 その論旨は、基本的には、氷河期がキーになっていて、これに素数の性質が組み合わさって、このような生態が誕生するというものだが、本書はこれを非常にわかりやすく解説している。
理解してしまえば、非常にシンプルな話なのだが、このような世界の構造を見抜く力には感心してしまう。 おもしろかった。
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