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2005.08.04

陰陽師 12 天空

岡野玲子著、夢枕獏原作、『陰陽師 12 天空』、白泉社ジェッツコミックス、2005年を読む。

連載誌が、コミックバーズから、白泉社のメロディに移ってから、特に原作を離れて独自の路線を突っ走ってきた岡野玲子の『陰陽師』の最新刊。 当初、12巻で完結の予定だったが、ここへ来て、13巻になった。

独自の路線になってからは、内裏が炎上、遷御、炎上の際に焼けた霊剣の修理、そして後に道長を輩出する藤原氏との関係と史実(?)を考慮(?)したストーリー展開になっている。 そして、その一方で、晴明が都を神聖に完全な形で祝福し、かつ自身の霊的な力と調和を得て、賀茂保憲に対するこだわりを超え、更には息子を得るという、ミクロコスモスとマクロコスモスの一致が、独自解釈で、読むものを置き去りにする勢いで描かれている。 最新刊に至っては、ほき内伝(ほきないでん)金烏玉兎集(きんうぎょくとしゅう)の話と混じったり、神聖幾何学なエジプト、アレクサンドリアの数学、哲学者ヒュパティアと交差して、なんかすごいことに。 ある意味、すごい電波な内容とも言えるような様相を呈してきているわけだが、一体、どこまで行くのか興味深い。

なお、ほき内伝金烏玉兎集は、藤巻一保著、『「ほき内伝金烏玉兎集」現代語訳総解説 安倍晴明占術大全』、学研、2000年という本がある。 また、晴明伝説をより雄弁に語った、ほき抄の由来が同著者の『日本秘教全書』、学研、2002年に収録されている。

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