« 2005年7月 | トップページ | 2005年9月 »

2005.08.31

KNOPPIX HACKS

Kyle Rankin著、須崎有康監修、株式会社クイープ訳、『KNOPPIX HACKS』、オライリー・ジャパン、2005年を買う。

QEMUの回で書いたように、現在、OSをお試し中。 これまで、Linuxはほとんど使ったことがなかったので、KNOPPIXのいろいろな使い方を調べようと思って、本書を購入した。

ちょうどインストール関係で悩んでいたこともあって、役に立ったのは、チートコードという起動時に指定するパラメータの詳細が本に収録されていることとか、KNOPPIXのCDからブートした後にHDDにインストールする方法など。 入門書には書いてないようなことも書かれていたのが助かった。

あと、本書の後半はなかなかすごい。 これがあれば、システムの復旧には、力をかなり発揮しそう。 一方で、切れ味がよすぎて、やばい用途にもそのまま使えそうだったりするので、ちょっとドキドキもの。

とは言え、その気になれば、ここまでできるというところが、改めて認識できたという意味では、よかったかも。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.08.30

オクタゴニアン 1

杉浦守漫画、大塚英志原作、『オクタゴニアン (1)』、角川コミックス・エース、2005年を読む。

本書は、主人公が、昭和天皇の元影武者でそっくりさん、共産主義者だけど共産党を壊滅させたスパイMという、むちゃくちゃヤバいコンビのコミックス。

舞台は、終戦直後の日本。 扱っている話も、東條英機、帝銀事件と731部隊、南朝天皇と柳田國男の弟子たち、共産党と下山事件。 しかもすべてGHQがからみ、更にオカルト風味のストーリーになっている。 かつて日本の戦時を構成したものたちが、オルタナティブな世界の戦後に関わっていく。

ときにはファシズムのガソリンにもなりかねない、オカルトをまぶしながら進んでいくストーリーの行く先に期待したい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.08.29

デザイナーズ ブログブック

MdN編集部編、『デザイナーズ ブログブック -- 現役プロデザイナーによるポップ&クールなブログのビジュアルアイデアブック』、MdN、2005年を買う。

本書は、デスノートっぽい装丁のおしゃれな本。 副題がどんな本なのかを、完全に説明しているが、本書は6名のデザイナーによる、ウェブログのデザインの参考例集。 シンプル系、ポップ系、写真系、イラスト・カラフル系、ロック系、デジタル・クール系という、6つのカテゴリーで、それぞれ4つずつくらいのサンプルと解説が行われている。

帯に、サンプルが全部載っているので、気に入ったら購入するのもいいかも。 個人的には、好きなデザインが多かった。 なお、必ずしも、ブログとして読みやすいデザインでないものも一部ある。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.08.28

アニメがお仕事! 3

石田敦子著、『アニメがお仕事! 3』、少年画報社 YKコミックス、2005年を読む。

これは、以前、1巻を紹介した、新人アニメーターを描いた作品。 せっかくアニメーターになったものの、自分の画力に自信がもてないイチ乃。 弟の二太は、原画マンになりたくて、フリーの仕事をはじめたが、挫折して、女性のところに逃避して引きこもる日々。 アニメスタジオは、社内のいざこざや、社長が金を持って逃げたりしたため、崩壊寸前。 ・・・と、すごい修羅場を描いている。

アニメの制作現場は、金も時間もない極限状態なので、ほんのちょっとしたことが、非常に大きな影響を及ぼす。 そんな極限状態だからこそ、アニメをやりたいという、非常にプリミティブな気持ちなしには、やっていけない。 しかし、それだけではなく、作画能力や、現実的な処世のスキルも非常に重要だ。 また、そんな状態だからこそ、人間のみにくさと直面したり、行き違いが起こり、しかもそれが大きく響く。

あまりに生々しく、ハードな世界の描写に、読んでしばらく、ぼーっとしてしまった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.08.27

QEMU

QEMUをいじる。

QEMUは、CPUのエミュレータで、IntelのCPU以外にも、いろいろとエミュレートできる。 これを使って、今回、いろいろとOSを試してみようと思った。

まず、ホストのOSとして、FreeBSD 5.4を用意した。 これを、cvsupを使って、バージョン5-STABLEにアップグレードして、portsからQEMUとQEMUのアクセラレータ・モジュールをインストールしてみた。

実は、以前、ホストのOSとしてWindowsを使い、KNOPPIXをQEMUで動かしてみたことがある。 使ったマシンも低スペックだったのだが、とにかくこれは重くて参った。 普通にQEMUを使うと、速度はリアルに動かした場合の数倍程度遅くなるということだが、これはかなり気の遠くなるような世界だった。 しかし、Linux用のQEMUのアクセラレータを使用すると、速度がかなり上がり、リアルの1〜2倍程度の重さになると言われている。 それならばと、今回試してみた。

QEMUのアクセラレータをカーネルのモジュールに組み込んだ後で、KNOPPIXの3.9のISOイメージから起動してみたり、Fedora Core 4をインストールしたりしてみた。 速度は、Windows上でQEMUを使った場合に比べると、相当速い。 ちょっとしたお試しとか、スクリーンショットを取るのに使うのであれば、十分に実用的な感じだった。 意外だったのは、KNOPPIXの重さ。 ファイルサイズはもちろんKNOPPIXの方がFedora Coreよりも小さいのだが、動きは全体的にKNOPPIXの方がもっさりしていた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.08.26

式神の城 七夜月幻想曲

PlayStation2用のゲーム「式神の城 七夜月幻想曲」、アルファ・システム、2005年をプレイする。

これは、シューティング・ゲームだった、「式神の城」「式神の城II」の続編。 しかし、今回のゲームのシステムは、昔ながらのアドベンチャー・ゲームというか、ビジュアル・ノベルのようなものになっている。

画面は、背景と人物の絵を組み合わせたもの。 セリフの部分は、声優さんの声も入っている。 これは、オフにしたり、多少早送りすることも可能。 たまにいくつかの選択肢が表示されるので、それを選んでゲームをすすめていく。 普通のアドベンチャー・ゲームと違うのは、ボスと戦う場面など、何箇所かが、シューティング・ゲームになるところ。 ただ、このシューテングは、あまり難しくない。

とまあ、ゲームのシステムは異なるけれど、お話は、素直に「式神の城」「式神の城II」や、小説、コミックなどの続編になっている。 異世界をつなぐゲートが開き、「ガンパレード・マーチ」の関係者がやってくる。 そして、これまでの2回の〈城〉の事件と似たような現象が発生し、災厄が訪れようとするが・・・というもの。 これは、一連の作品、主に小説とコミックなどをよく知らないと、話がわかりくいと思う。 そういう意味では、かなりファン向けの作品だと思う。

このゲーム、感じとしては、CDドラマにインタラクティブ性を持たせたものに近い。 それで、ふと、値段のことを考えて、不思議な感じがしてきた。

たとえば、これがドラマCDだと思えば、たぶん数〜十数時間分に相当するので、安めに感じる。 しかし、ゲームだと思えば、ボリュームが少なめで、これは個人的にはありがたいけれど、割高感がある。 また、ライトノベルだと思えば、非常に高価だ。 声優さんの数とかも関係するので一概に言えないけれど、ドラマCDって、高い金額設定になっているような気がしてきた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.08.25

8マン インフィニティ 1、2

七月鏡一原作、鷹氏隆之漫画、平井和正、桑田二郎ROOTS、永田太メカニカルデザイン、『8マン インフィニティ (1)、(2)』、講談社 マガジンZKC、2005年を読む。

本書は、平井和正と桑田二郎の『8マン』の続編。 しかも、前作の登場人物で8マンの正体を知っていた田中課長はともかくとして、超犬リープとか、林石隆とか、他の作品のキャラクターもバンバン出てくる。

舞台は、『8マン』のお話から、X年後の東京。 ジェネシスという組織で、マシナリーというサイボーグや単なるロボットを超えた超兵器が作られた。 その中でも特に優れた9体のうちの1体である8thを奪って、アンナ・ヴァレリーという少女(型のマシナリー)が東京にやってくる。 8thの争奪戦が起こり、その場に居合わせた少年・東光一(ひがしこういち)はアンナを救おうとして、命を落とすが、精神情報を8thに移されて復活する。 8thは、以前の8マン・東八郎(あずまはちろう)の情報を宿していて、戦いの中で、徐々にその力を発現していくが・・・というストーリー。 これは、前作の『8マン』と大枠ではかなり似た設定になっている。

前作の『8マン』は、40年以上前の作品だが、設定やストーリー、絵、テーマなどが、非常に先進的だった。 今読んでもおもしろい。 そして、いろいろな形でリメイクが行われてきたが、なかなかオリジナルを超えることは難しかった。 今回の作品は、現代的な絵とストーリーと設定になっていて、しかもファンの気持ちがわかっている作品になっていて、もしかするとと期待がふくらむ。

敵の最高幹部が「ヴァレリー」と呼ばれていたり、作中で「マシナリー」の著者がH.T.ヴァレリーとなっているのも、『8マン』のファンにとっては、非常に意味深だ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.08.24

天使辞典

グスタフ・デイヴィッドスン著、吉永進一監訳、『天使辞典』、創元社、2004年を買う。

本書は、"A Dictionary of Angels -- including the fallen angels"(1967)の全訳。 たぶん、天使の辞典としては最強の一冊。

天使関係の日本語の本は、90年代以降、何冊か出版されている。 しかし、精神世界系の願望達成法やチャネリングの本だったり、辞典というよりは読み物だったり、フォローされている項目が非常に少なかったり、結局のところ、通読するにはいいけれど、何かを調べようとすると役に立たないことがよくあった。

本書は、それらの本とは際立って異なっていて、「辞典」と呼ぶにふさわしい。 本書は原書を持っているけど、よくこれを訳したなあと思う。 付録と参考文献も興味深いものです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.08.23

どうして色は見えるのか

池田光男、芦澤昌子著、『どうして色は見えるのか -- 色彩の科学と色覚』、平凡社ライブラリー、2005年を読む。

本書は、色という現象に関する解説書で、1992年に平凡社から出た同じタイトルの本の文庫版。 取り上げられているのは、色がどんなところで活用されているのか、色の性質、色が知覚される機構など。

色というのは、光源から出たあるスペクトルを持った光が、物体表面で各スペクトルごとに異なった反射率で反射され、目に入り、暗いところでの明るさを感知する桿体と明るいところでの色を感知する3種類の錐体を刺激し、それが変換されて神経を伝わり、脳で処理されて知覚される。 これは、非常に複雑な機構で、物体表面で光がどう反射したかという物理的な側面、光が視神経をどう刺激して変換して伝達されるかという生理的な側面、脳でどのように情報処理されるかという心理・認知的な側面がからんでいる。

たとえば、同じスペクトルの光を見ても、周囲の状況に応じて異なった色に見えたりする。 そうかと思えば、スペクトルが全然異なっていても、同じ刺激を視神経に与える光を作ることができて、実は印刷もディスプレイも、この特性を利用している。

そんな不思議な色の世界を、本書では、幅広く紹介している。 孔を通して見たと認識する色(開口色)と物体の表面として認識する色(物体色)は、実際には同じ光を見ていても、異なって見えるという話とかも紹介されていて、おもしろかった。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2005.08.22

トンデモUFO入門

山本弘、皆神龍太郎、志水一夫著、『トンデモUFO入門』、洋泉社、2005年を読む。

本書は、UFOに関するよもやま話をまとめた本。 ちょっと昔の話でさえ、片っ端から忘れられていくUFOの世界を、UFOに詳しい3人が昔の歴史も含めておもしろおかしく語っている。

だらだら語っているわりには、なかなかためになるウンチクがつまっていて、楽しくUFOの基礎知識が身に付く。 ロズウェルの話のいいかげんさ、映画やテレビの影響の大きさ、「変」としかいいようがない話、おさえておくべき代表的なUFO事件、人物、図書などなど。

ところで、さがしていたジョン・A・キール著、『モスマンの黙示』(植松靖夫訳、国書刊行会、1984年)が、なんと2002年に映画化(?)され、それに合わせて新訳が『プロフェシー』(南山宏訳、ソニー・マガジンズ ヴィレッジブックス、2002年)というタイトルで出ているのは全然気がつかなかった。 早速、書店で入手した。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.08.21

カムイ伝 第三部

白土三平著、画業50年記念出版 決定版 カムイ伝全集 全38集、小学館の刊行が、9月末からはじまるのを、書店の店頭のチラシで知った。

このチラシの内容は、小学館の『決定版 カムイ伝全集』ページとだいたい同じだった。 これを読んでびっくり。

白土三平70代の「覚悟」 「カムイ伝第三部」 近日連載再開! 未来を照らすカムイ伝の最終章

なんだってー。

更に年表によると

2000年(平成12年) 「ビッグコミック」2000年4月10号にて「カムイ伝」第二部を終了。

いやあ、驚いた。 連載中断状態だとずっと思っていたんだけれど、「カムイ伝 第二部」は終了ということになった。 とすると、単行本には未収録の話がいくつかあるけれど、これは今回の全集に収録されるということなのだろうか。

なんにせよ、カムイ伝の最終章の連載がはじまるというのは、一つの事件だと思う。 一体、どんな決着がつくのか、楽しみに待ちたい。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2005.08.20

毛布おばけと金曜日の階段

橋本紡著、『毛布おばけと金曜日の階段』、電撃文庫、2002年を読む。

本書は、先日『猫泥棒と木曜日のキッチン』を紹介した橋本紡の似たような傾向の小説。 父は交通事故で死亡、母はそれを気に病んで入院。 そして、大学生のさくらと高校生の未明の2人の姉妹の生活。 どこかが壊れてしまったさくらは、普段はそんな素振りは見せないが、金曜日だけは、階段で毛布をかぶって心を閉ざしてしまう。 それを知っているのは、2人の姉妹と、さくらの恋人で未明と同じ年の和人だけ。 金曜日には、シュークリームとごちそうと、たまにしかうまくいかない和人の作ったお菓子を、3人で階段で食べまくる。

物語の設定には、本書と『猫泥棒』の間で共通の部分がいくつかあり、似た感覚を受ける。 『猫泥棒』に比べると、本書の方は、すれ違ってしまう恋に焦点が当てられている。 すれ違ったことで、自分も相手も見えてくる、そんな恋だ。 とてもいいお話だった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.08.19

リンダリンダリンダ

映画「リンダリンダリンダ」を観る。

「女子高生がブルーハーツ。ボーカルは韓国からの留学生!?」というコピーのアレさがすごかった。 まずはこのヒキの印象が大きいけれど、実際には「高校の文化祭」を描いた作品だった。

ギターのケガとメンバーのいざこざで、文化祭直前で、バンドは崩壊。 そんな文化祭前日から話は始まる。 韓国からの留学生の女の子ソンを加えてバンドを再結成し、ブルーハーツのコピーを文化祭3日目の最終日にやることになる。 それまでの過程を描いていくのが、この映画だ。

この中で描かれているのは、高校生の背伸びをして大人ぶったコミュニケーション、文化祭の準備という非日常的な状況。 特に、高校生の大人ぶり方は、自分の若いときの失態を、えんえんと目の前で見せられているようで、共感するような恥ずかしいような、なんともいえない気分になってくる。 それから、文化祭の準備というのは、やっているうちに、今までやったことがなかった一線を気がつくと越えてしまっていることがある。 そして、今まで見たことがなかった世界を見ている、その不思議な感覚の気持ちよさが、映画を見ながらよみがえってきた。

高校生の気恥ずかしさとか、文化祭の準備とかが、2時間近くゆっくりと描かれているので、そういうのが好きな人向きの作品だと思う。 あと、物を食うシーンが、かなり多くて印象的。 「別に意味なんかないよ」もよかった。

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2005.08.18

「伝統」とは何か

大塚英志著、『「伝統」とは何か』、ちくま新書、2004年を読む。

本書は、主に柳田國男を中心とした民俗学に関するお話。 わたしたちが「日本の伝統」だと思っているものは、実際には明治から昭和にかけて作られたものがあり、それらがどういう時代背景のもとに作られてきたのかを論じている。

取り上げられている話題は、血筋と家と母性、妖怪や山人や怪談、日本人の起源や山村調査やナチズムとオカルトと沈んだ大陸など。 これらが、柳田國男の言説とおかれた境遇の変化、時代背景を辿りながら論じられていく。

そういえば、魔術や神秘主義思想は、太古から連綿と秘密に伝えられてきた叡智であると主張されるものだが、実際には近代になってからディテールや背景理論がその場で作り出されたりしている場合がある。 ルーツの話は、単にインスピレーションの元だったり、立派に見せるための宣伝文句だったり、願望や妄想だったりする。

一見美しく壮大な夢やロマンの背景には、どのような願望や必然性があるのか注意を払いたいもの。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.08.17

EPSON MUSEUM「美の巨人たち」特別展

EPSON MUSEUM「美の巨人たち」特別展を見にいく。

「美の巨人たち」は、EPSONが提供しているTV東京の番組。 今回の催しは、この番組と関係して、名画をプリンタで、実物大に出力したものを展示する企画展だった。 会場は、東京駅丸の内南口のすぐ目の前の丸ビルの1、3、7F。 期間は8/12から8/21まで。 入場は無料。 展示されているのは、およそ50作品。

これらの作品は、写真家が撮影したポジ・フィルムを、フィルム・スキャナでスキャンし、色調整をして、EPSONのMAXARTシリーズの顔料系インクの大判プリンタで出力したもの。 展示されていた絵画の中には、縦横2m近くのものもあり、大判プリンタと言っても、1枚で出力できるわけではない。 1枚で出力できないものは、2枚や3枚に分割して印刷されていた。

デジタル・プリントは、コンピュータの能力、画像処理ソフトの機能、プリンタの解像度、色の再現範囲、色の再現性、用紙の質などの向上によって、非常に手軽になった。 今回の展示は、その格好のデモンストレーションで、デジタル・プリントの可能性を感じさせてくれるものだった。

展示されていた絵は、印刷コストだけなら、サイズにもよるが、おおよそ1000〜1万円程度の間だろう。 仮に破損してもすぐに作り直せるし、複製も容易。 ある程度の距離を離して鑑賞すれば、十分鑑賞に堪える。

こうなってくると、重要になってくるのは、画像の入力の部分だろう。 特に大判の場合、その善し悪しが顕著にわかってしまう。

いずれにせよ、これから作品を作っていきたい人にとって、デジタル・プリントは使いようによっては大きな力になりそう。

それから、近くの丸善の丸の内本店に行ったところ、水木しげる「妖怪道五十三次展」をやっていた。 これは、歌川広重の東海道五十三次をモチーフに、水木しげるが妖怪版を描いたもの。 その場で販売もしていて、高価なものになると、実際に多色の木版で摺ってある。 会場には、歌川版と水木版がそれぞれ展示されていて、楽しかった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.08.16

ビートのディシプリン SIDE4

上遠野浩平著、『ビートのディシプリン SIDE4[Indiscplie]』、電撃文庫、2005年を読む。

以前、3巻を取り上げたときに、〈ブギーポップ〉シリーズの1冊で、しかもSIDE3で終わりだと思い込んでいたが、その後、〈ビートのディシプリン〉シリーズという別のシリーズで、このSIDE4で完結だと気づいた。 とは言うものの、〈ブギーポップ〉シリーズと大幅に登場人物はだぶっているし、謎の組織・統和機構も出てくる。

〈ビートのディシプリン〉は、合成人間ビートがカーメンという謎の何かを探すように、破壊兵器のような合成人間フォルテッシモから命じられたことから、とんでもない厄災と統和機構の中枢の変動に巻き込まれるというお話だった。 そして、このシリーズでは、統和機構やその他の組織が垣間見えてきた。 それと同時にすごい連中が出てきたわけだが、その連中の能力は、どうすごいのかとか、どういう能力なのかとか、そういうのがとてもわかりにくくなってきている。 強さのインフレが、わかりにくさに回収されているような感じがする。

この先、物語はどこに向かうのかわからないけれど、もしかして世代の交代という形で物語がたたまれようとしているのだろうか。 いずれにせよ、派手なひきで終わっているので、〈ビートのディシプリン〉は完結だが、続くようだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.08.15

昨日の聖地

有明20050814

2005年8月14日の聖地・有明は、日差しが強く、外で直射日光に当たるとつらいものがあった。

ちなみに、12時過ぎにりんかい線で駅に到着し、待たずに会場には入れた。 今回は、個人的にはいまいちな感じだった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.08.14

猫泥棒と木曜日のキッチン

橋本紡著、『猫泥棒と木曜日のキッチン』、メディアワークス、2005年を読む。

これは、ライトノベルの電撃文庫の作家をハードカバーで出版するという企画の一つとして発行された本。 けっこう、配本数も少なく、見落としがちなので、入手しようとする際には注意が必要。

お話は、ダメダメ恋を続けるお母さんが家出してしまい、17才の川原みずきと5才のコウの姉弟が取り残される。 もともと、お母さんは何にもできない人だったので、姉弟2人の生活は静かに続いていく。 変わったのは、庭にお墓が増えていくこと。 みずきは、車に轢かれた猫を拾って、庭に墓を建て始めた。 そして、それが縁で出会った少年・健一が木曜日にご飯を食べに来るようになったこと。 轢かれた猫を間にして、少年の想い、少女の想いが響き合う。 そして、残酷で、情けなくて、それでも捨てたもんじゃない現実と触れ合い、大人になっていく。 そんな、少女と少年の成長物語。

少年へのまなざしが気持ちいい作品だった。

なお「猫泥棒で読書感想文を書こう!キャンペーン」をやっているので、送ってみるのもいいかも。

猫泥棒で読書感想文を書こう!キャンペーン

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2005.08.13

消費者問題としての自己啓発セミナー

ハンドルネームmamma氏による「消費者問題としての自己啓発セミナー」というサイトが開設されている。

民法の観点から未成年者の契約、特定商取引法の観点から勧誘の目的を告げずに呼び出した場合、プレッシャーをかけて勧誘した場合、クーリングオフを妨害した場合、消費者契約法の観点から勧誘の場から帰らせてもらえない場合、特定商取引法と消費者契約法による実際の内容と異なるトークにより勧誘した場合と、自己啓発セミナーの勧誘にありがちなケースが例とともに解説されている。

こういう話がすっきりまとめられたサイトはなかったので、便利だと思う。

追記

TrackBackをいただきましたが、mamma氏は、ウェブログ「Seminar will never die...?」もはじめられた。 自己啓発セミナーに関するさまざまな話題を取り上げるとのことで期待。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2005.08.12

月館の殺人 上

佐々木倫子漫画、綾辻行人原作、『月館の殺人 上』、小学館 IKKI COMICS、2005年を読む。

本書は、鉄道もののミステリー漫画。 雁ヶ谷空海(そらみ)、沖縄の女子高生17才は、母が死んだところに、資産家であるという祖父からの招待を受ける。 そのため、母が死ぬほど嫌いだった列車、しかも特別仕立てのD51幻夜号に乗って、雪の北海道を走ることになる。 ところが、車中で殺人事件が起こり、首都圏を騒がせている殺人事件との関係が疑われるが・・・というお話。

佐々木倫子は、人格破綻者の描写がおもしろいが、本書では、それは主人公の少女と、幻夜号の他の乗客ともりだくさんだ。 幻夜号の他の乗客は、実は全部、鉄道マニア。 しかも、ディープな。 さらに、鉄道関係のものをなんでも(平気で非合法に)集めようとするマニア、撮影マニア、乗るマニア、時刻表のマニア、鉄道模型のマニアと各種取り揃えてある。 その人格破綻ぶりが、マニアの業を感じさせて、おもしろい。

次巻に期待。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2005.08.11

熊野、修験の道を往く 「大峯奥駈」完全踏破

藤田庄市著、『熊野、修験の道を往く -- 「大峯奥駈」完全踏破』、淡交社、2005年を読む。

藤田庄市氏は、宗教関係をメインとしたフォトジャーナリスト。 本書にも、多数の写真が使用されていて、雰囲気が伝わってくる。

本書は、昨年2004年の8月30日から9月10日まで、ユネスコの世界遺産に指定されたことを記念して行われた、熊野の「大峯奥駈」の行の参与記録だ。 出発は奈良の吉野川の柳の渡し、終点は一度海岸まで出てからまわって戻って熊野本宮大社。 この240kmを12日間かけて踏破する。 だいたい1日20kmくらいになるが、険しい山道で、場所によっては90度の絶壁だったりする。 特に、このルポで取り上げた回に至っては、台風や地震に襲われるというすごい条件下の行になっている。 そのハードな行の様子が、非常によく伝わってくるルポルタージュだった。

読んでいて思ったのは、そもそも何故このような行を行うのかだ。 行を行ったとしても、別に神秘体験するわけでもないし、超能力が身に付く訳でもない。 清らかになろうとして行に臨めば、逆説的に遠ざかる。 日常の重要さが、参加者の間でも語られる。 自ら望んで厳しい行にむかいながらも、そこそこのハードさにとどめている。 もしも、単に厳しい修行をしたいだけなら、最悪何も準備しないで望めばいいわけなのだから。

いや、たぶん、こういった思念を越えた、圧倒的な体験が、たぶんそこにはあるのだろう。

ふと、人の手のあまり入っていない霊峰を何かを求めて歩いたことや、日の出を見るために山頂まで登ったことを思い出した。 わたしの場合、歩いたり、登ったりしているときは、それこそ雑念の固まり、つらいだけだった。 登ったからといって、そのときに何かがあったわけでもなかった。 ただ、それから時間がたって、熟成されてくるものが、ある種のリアリティをもって感じられるのだ。

読んでいて「いいなあ、行ってみたいな」と思う一方で、そんな体験を思い出しながら、きっと歩いているときはすごくつらいだけだろうと直感がささやくのだった。

なお、本書のおわりには、この行で起こった落下事故に関して、因縁の問題が取り上げられている。 宗教では、いいことや悪いことは、超越した何かに帰結させることがある。 人生すべてに意味があると思いたがるニューエイジ、トランスパーソナルな潮流もその一種だ。 たとえば、自分に苦難が訪れれば、神が与えた試練だったり、よくないことをした罰。 いいことが起これば、神の恩寵だったり、その教団に入信したり、信仰しているから。 手を叩いた音は、どちらの手が鳴ったのかという公案があるが、まるで鳴ったのは左手だとか、右手だとか言っているようなものだ。

このようななんとでも言える論理は、使い方によっては、見えない世界と自分が繋がっているというスピリチュアルな実感にもなれば、教団の指導者が信者を搾取する非常に強力な道具にもなる。 今回、本書で取り上げられている話では、敢えて、超越的な部分には踏み込んでいない。 また、参加者の談話を見ても、非常に宗教的な行ではあるのに、どこか日常的な感性がみられるような気がする。 継続してこのような問題は考えていきたい。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2005.08.10

神秘家列伝 其ノ四

水木しげる著、『神秘家列伝 其ノ四』、角川ソフィア文庫、2005年を読む。

本書は、「怪」に連載されている「神秘家列伝」の単行本。 4巻目には、仙台四郎、寅吉、安鶴、柳田国男、泉鏡花が収録されている。 このシリーズは、水木しげるが興味を持った人物を、エピソードを中心に紹介するというもの。 基本的には、史実+伝説を紹介しているが、水木しげるらしいアレンジが入っているので、必ずしも実像に近いわけではない。 本書では、仙台四郎がいい味を出していたと思う。

なお、1〜3巻目は、角川書店のKwai Booksのシリーズで出ていた単行本を文庫化したものだったが、4巻からは文庫のみとなったようだ。 ただし、文庫版で3巻の最後に収録されている平田篤胤の回には注意が必要。 これはKwai Books版の3巻には収録されていないのだ。 ちなみに、連載では泉鏡花の次に掲載されたもので、順番から言えば4巻の終わりか5巻の最初に収録されると普通なら考えるところ。 要するにKwai Books版で1〜3巻、4巻以降は文庫版で読もうと考えていたりすると、平田篤胤の回を読みそこねるというわけで、要注意。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.08.09

どおまん・せいまん奇談

荒俣宏著、『鳥羽ミステリ紀行 どおまん・せいまん奇談』、ゼスト、1999年を読む。 なお、本書は2001年に角川ホラー文庫から『絶の島事件 シム・フースイVersion 5.0』としても出ている。

買ってから数年寝かせていた本だが、ふと、目についたので読んでみた。 本書は、鳥羽市観光協会の九鬼嘉隆四百年祭実行委員会のミステリツアー事務局による賞品総額1,000万円という「鳥羽ミステリツアー」関連の本として出版された。 本書には〆切が2000年3月31日必着の応募葉書が付いていて、鳥羽の名所を訪れてクイズの解答を書き込んで、送ると抽選で賞品が当たるという企画が行われていた。 鳥羽というと、一つはミキモト真珠、江戸川乱歩の『パノラマ島綺譚』、九鬼水軍、水族館、そして本書には出てこないけれど秘宝館などが有名。 また、近くには伊勢神宮がある。

また、本書は〈帝都物語〉に登場した風水師黒田の子孫の黒田龍人と霊媒の有吉ミヅチが活躍する〈シム・フースイ〉シリーズの一冊でもある。 ストーリーは、黒田龍人が、鳥羽の町おこしを依頼されて調査にやってくる。 すると、ちょうど、依頼人が真珠をあしらった財宝の盗難の容疑をかけられていて、この盗難事件と鳥羽のオカルト談義が並走していく。

残念ながら、このお話、えんえんとオカルト談義をしているだけだったり、そしてそれはあんまり事件と関係なかったり、唐突にミルトン・エリクソンの話が出てきたり、謎もあんまり明らかにならなかったり、黒田とミヅチも活躍しなかったりする。 せめて、クイズの応募期間内に読めば、もう少し楽しめたかも。 〈シム・フースイ〉シリーズは、この本以降出ていないけれど、初期の頃の作品のようなノリのものをもっと読んでみたいような。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.08.08

雲のむこう、約束の場所 新海誠 2002-2004

渡辺水央構成、『雲のむこう、約束の場所 新海誠 2002-2004』、ぴあ、2005年を読む。

本書は、長編アニメ映画「雲のむこう、約束の場所」のムーブメントと監督である新海誠に対するインタビューをまとめたもの。 新海誠と言うと、ゲーム会社に勤務し、独立して「ほしのこえ」をほとんど一人で制作して注目を浴びたことで有名。 本書のインタビューでは、いかにしてアニメ制作者になったか、そして初期作品から最新作の「雲のむこう、約束の場所」に関するものなど、多岐に渡っている。

「ほしのこえ」も「雲のむこう、約束の場所」も、日常からちょっとだけ離れた世界で、心情を描いている。 これらの作品を見ると、個人的には何かしら不思議な感情が喚起されるような、何かの雰囲気がそこにある。 それが何なのか、本書を読んでもやはりわからなかったのだけれど、SFや村上春樹との微妙な距離感の保ち方がいい感じのスパイスになっているような気がした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.08.07

レンタルマギカ 魔法使い、集う!

三田誠著、『レンタルマギカ 魔法使い、集う!』、角川スニーカー文庫、2005年を読む。

これは、〈レンタルマギカ〉シリーズの短編集。 お話は、少年の頃、少女を助けるために妖精眼(グラムサイト)という能力を得てしまった伊庭いつき。 しかし、あまりに強力な能力は、少年を魔から遠ざけることになった。 ところが、彼の父は、魔法使い派遣会社アストラルの社長だった。 ある日突然、父の失踪から、アストラルの社長になる羽目になり、自分の能力や過去と向き合うことを余儀なくされてしまう。 様々な能力を持った魔法使いたちと、魔法のからんだ事件を解決するというのが、このシリーズ。 リアリティのある魔法合戦とかなり変わったアストラルの社員たちがシリーズの魅力だ。

現在、このシリーズは、本書を含めて3冊出ている。 本書は、一番最近に出たのだが、実際には1巻と2巻の間の物語になっている。 出た順に2巻の『魔法使いVS錬金術師!』を読んだところ、いきなり話が進んでいて、あれれ?と思ったのだが、実は間に短編4本分のお話があったのねという。 本書の短編では、幽霊の黒羽まなみの入社経緯、冬虫夏草と死霊、神社での神降しと審神者、肖像画に封じられた魔法などが取り上げられている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.08.06

一瞬で信じこませる話術 コールドリーディング

石井裕之著、『一瞬で信じこませる話術 -- コールドリーディング』、フォレスト出版、2005年を読む。

石井裕之氏は、NLP(神経言語プログラミング)などを学んだ人。 本書では、その場で相手の情報を巧妙に引き出して、あたかも何かすごい能力で当てたかのように相手に思わせる技術であるコールド・リーディングのテクニックを紹介している。 NLPは、コールド・リーディングを教えていると揶揄されることもあり、そういう意味ではなんというか、かんというか・・・。

本書で紹介されているテクニックは、勝手に人が都合のいい部分だけを記憶してくれたり、思い込んでくれたりするのを巧妙に使っている。 そして、誰にでも当てはまるようなリーディングを告げたり、リーディングがはずれたのをそうは思わせない会話のつなぎ方、勝手に情報を話してくれるような質問の仕方などが紹介されている。

なんだかんだ言っても、どことなく不誠実な雰囲気のするテクニックだと思う。 このようなテクニックを使うと、場合によっては返って著しく信用を失うことは、使おうとする人は理解しておいた方がいいと思う。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2005.08.05

ジャンキー・フィクション 1

為我井徹原作、明治ていか漫画、ランニングフリー企画、『ジャンキー・フィクション (1)』、ワニブックス ガムコミックス、2005年を読む。

本書は、ふしぎな薬を使って事件を解決する「薬屋」と呼ばれる少年タクと猫のくすりの物語。 5話収録されているものの、実際にはストーリー上は2話分なので、物語はまだはじまったばかり。

お話は、かつて息子のタクを救うために、悪魔と契約して、悪魔の医学知識を入手した母・寧子。 彼女は、失踪してしまうが、今のところその理由ははっきりしない。 母の失踪の後、悪魔と契約した少年・タクは、母をさがしながらも、悪魔のつくる薬を使って、事件を解決する「薬屋」という商売をはじめたというストーリー。

今のところ、ある意味、推理の要素があまりない探偵もの、つまり人間ドラマに重点を置いた解決屋ものをやっているわけで、よくある話になっているので、今後、どれだけそこから離れられるのか楽しみ。 ちょっとひねた少年の心は、猫の少女くすりによってひらかれていくのだろうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.08.04

陰陽師 12 天空

岡野玲子著、夢枕獏原作、『陰陽師 12 天空』、白泉社ジェッツコミックス、2005年を読む。

連載誌が、コミックバーズから、白泉社のメロディに移ってから、特に原作を離れて独自の路線を突っ走ってきた岡野玲子の『陰陽師』の最新刊。 当初、12巻で完結の予定だったが、ここへ来て、13巻になった。

独自の路線になってからは、内裏が炎上、遷御、炎上の際に焼けた霊剣の修理、そして後に道長を輩出する藤原氏との関係と史実(?)を考慮(?)したストーリー展開になっている。 そして、その一方で、晴明が都を神聖に完全な形で祝福し、かつ自身の霊的な力と調和を得て、賀茂保憲に対するこだわりを超え、更には息子を得るという、ミクロコスモスとマクロコスモスの一致が、独自解釈で、読むものを置き去りにする勢いで描かれている。 最新刊に至っては、ほき内伝(ほきないでん)金烏玉兎集(きんうぎょくとしゅう)の話と混じったり、神聖幾何学なエジプト、アレクサンドリアの数学、哲学者ヒュパティアと交差して、なんかすごいことに。 ある意味、すごい電波な内容とも言えるような様相を呈してきているわけだが、一体、どこまで行くのか興味深い。

なお、ほき内伝金烏玉兎集は、藤巻一保著、『「ほき内伝金烏玉兎集」現代語訳総解説 安倍晴明占術大全』、学研、2000年という本がある。 また、晴明伝説をより雄弁に語った、ほき抄の由来が同著者の『日本秘教全書』、学研、2002年に収録されている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.08.03

検索エンジン戦争

ジェフ・ルート、佐々木俊尚著、『検索エンジン戦争 -- インターネットの覇権をめぐる興亡と争奪戦の物語』、アスペクト、2005年を読む。

本書は、検索エンジン関係の記事をよく書いているジェフ・ルートと佐々木俊尚による検索エンジンの歴史に関する本。 これまでも検索エンジンの本はいろいろあって、多くは検索エンジンの使い方に関する本だった。 本書は、検索エンジンの果たしてきた役割や歴史や競争などに関する本で、非常によく書かれていると思う。

内容は、初期の検索エンジンとSEO、検索エンジンと広告の関係、グーグルの歴史、グーグルVS.ヤフーVS.MSNサーチ、検索エンジンの現状と未来といったところ。 特に、SEOがらみの話は、ユーザの知りたい情報と企業の売り込みたい情報のせめぎ合いをどう解決するかという問題で、非常に興味深い話題だと思う。 それから、今までよくわからなかったWeb広告の全体像が、本書を読んですっきりわかった。 また、サーチエンジン関係の買収劇の全体像も、非常にわかりやすく書かれている。

個人的には、最後に紹介されているオープンソースの検索エンジンnutchがおもしろそう。

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2005.08.02

鳥山石燕 画図百鬼夜行全画集

鳥山石燕著、『鳥山石燕 画図百鬼夜行全画集』、角川ソフィア文庫、2005年を読む。

本書は、鳥山石燕の『画図百鬼夜行』、『今昔画図続百鬼』、『今昔百鬼拾遺』、『百器徒然袋』の4つを1冊にまとめた本。 今まで、類書に国書刊行会から出ていたハードカバーで高価なものはあったが、文庫になったのは、今回がおそらくはじめてだろう。 なお、絵は、黒一色で印刷されている。

鳥山石燕の妖怪画といえば、京極夏彦の作品で有名。 鳥山石燕は、18世紀の人で、狩野派の流れを汲んでいる。 妖怪画の題材は、古典、伝説、謡曲、独自のシャレなど。 『山海経』なども参考にしているらしく、見ると構図や描き方が似た絵もある。 味がある絵でおもしろい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.08.01

妖怪大戦争

荒俣宏著、『妖怪大戦争』、角川書店、2005年を読む。

これは、今度の土曜日から上映される映画「妖怪大戦争」の原作小説。 〈帝都物語〉の主人公・魔人・加藤保憲が、再び悪役として登場する。

お話は、気弱な少年・稲生タダシが、夏祭りで麒麟送子という世界を救うヒーローに選ばれてしまう。 ・・・といっても、それはお話の世界だけだと思っていたら、妖怪が見えるタダシはだんだん妖怪の世界に入って行くことになる。 そして、妖怪と捨てられた機械を融合して機怪という怪物を産み出し、日本に復讐して滅ぼそうとする加藤保憲と戦うことになるというストーリー。

とにかく、たくさんの妖怪が出てくる。 妖怪たちは、別に大してすごいことができるわけでもない。 作中で繰り返し言われているのは、妖怪は弱くて、こすっからくて、おどおどしていて、力もなく、エッチで、盆踊りが好きということだ。 主人公の稲生タダシも、一緒に戦う妖怪たちも、あんまりヒーローしていないというか、なんというか。

この原作通りだとすると、とにかく妖怪が好きで、いっぱいでてくる映画が見たい人向きで、あまりヒーローものや爽快感を求める人向きではなさそうに思えた。 また、水木しげるがこれをマンガ化した『水木版妖怪大戦争』もあり、単行本は未見だが、途中まで「怪」に連載されたマンガを見る限り、原作とは随分違う、水木しげるらしい作品に仕上がっている。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

« 2005年7月 | トップページ | 2005年9月 »