猫泥棒と木曜日のキッチン
橋本紡著、『猫泥棒と木曜日のキッチン』、メディアワークス、2005年を読む。
これは、ライトノベルの電撃文庫の作家をハードカバーで出版するという企画の一つとして発行された本。 けっこう、配本数も少なく、見落としがちなので、入手しようとする際には注意が必要。
お話は、ダメダメ恋を続けるお母さんが家出してしまい、17才の川原みずきと5才のコウの姉弟が取り残される。 もともと、お母さんは何にもできない人だったので、姉弟2人の生活は静かに続いていく。 変わったのは、庭にお墓が増えていくこと。 みずきは、車に轢かれた猫を拾って、庭に墓を建て始めた。 そして、それが縁で出会った少年・健一が木曜日にご飯を食べに来るようになったこと。 轢かれた猫を間にして、少年の想い、少女の想いが響き合う。 そして、残酷で、情けなくて、それでも捨てたもんじゃない現実と触れ合い、大人になっていく。 そんな、少女と少年の成長物語。
少年へのまなざしが気持ちいい作品だった。
なお「猫泥棒で読書感想文を書こう!キャンペーン」をやっているので、送ってみるのもいいかも。
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