10月はSPAMで満ちている
「小説新潮」10月号の桜坂洋著、「10月はSPAMで満ちている」を読む。
この短編は、新潮社のページで冒頭が読めるが、〈よくわかる現代魔法〉シリーズに出てくる、コンピュータに強い副主人公の坂崎嘉穂の成人後の姿が見られる。 秋葉原のあやしいボロ・ビルの一室で、会社をやめて文筆業を志している「ぼく」は、坂崎嘉穂に出会う。 物書き志願者が呼ばれた理由はSPAMの文面を考える仕事のため。 そしてまきこまれるSPAMと魚肉ソーセージとネコとIT風味な事件。
実は、あまり事件らしい事件でもないし、一応、推理小説の形式はしているが、そんなに推理の方は要求されない。 何かを求めたために、どうしたわけか秋葉原のボロ・ビルに辿りついてしまった2人の人間の、日常が描かれた作品だった。
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