まんが パレスチナ問題
山井教雄著、『まんが パレスチナ問題』、講談社現代新書、2005年を読む。
本書は、旧約聖書の時代から2004年の暮れまでのパレスチナ問題を紹介した本。 「まんが」とタイトルには書いてあるが、最近「まんが入門書」にありがちな、各ページにカットがちりばめられている程度のもの。
パレスチナの問題は、正直、よくわからないところがある。 日々、ニュースなどでテロや戦争や紛争が報道されていても、単語がそもそもよくわからない、いろいろな派や国の相関関係がよくわからない、経緯も理由も代表者たちの主張もよくわからないという、わからないづくし。
高校までの歴史の授業では、あんまり近代史はやらなかったし、それ以上に、リアルタイムで展開されている国際情勢は、教科書には載っているわけがない。 大学ではというと・・・この類のものは、地政治学くらいしか聴講しなかった。 その地政治学も、フォークランド紛争における海運力の軍事的重要性の話だったような。
そんなわたしだったので、ふと、書店で、この本を目にして、手に取ってみた。 内容は、ユダヤ人とパレスチナ人の少年と一緒に、パレスチナ問題の歴史を見ていくというもの。 だいたい300ページ弱で、半分くらいのところでイスラエルの建国が描かれている。 読んでみて、非常に情けないことだが、はじめて知ることが多かった。 今まで、ニュースなどで聞いていた単語が、ちらほらとわかるようになった。
ただ、このような問題は、立場によって、随分、見方や考え方が異なってしまうので注意したいと思う。 本書では、ユダヤ人とパレスチナ人の少年を登場させて、それぞれの立場からの考え方を提示しようと努力をしている。 それでも、作者の政治的、倫理的な信条は反映されている可能性はあると思う。 そして、それを判断するだけの知識は、わたしにはない。 このことを心に留め、他のパレスチナ問題に関する本なども読んで、考えてみたいと思った。
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