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2005.09.20

嘘を生きる人 妄想を生きる人

武野俊弥著、『嘘を生きる人 妄想を生きる人 -- 個人神話の創造と病』、新曜社、2005年を読む。

本書は、ユング派の分析家である著者が、オウム真理教の問題を考察したもの。 オウムを、ラジニーシ、日蓮、キルトン・スチュワート(セノイの夢理論)、フロイト、ユング、ナチスと精神科医、ユーイン・キャメロン(CIA洗脳実験室)、シャルラタン(興行治療師)、メスマー、カリオストロ、ヴィルヘルム・ライヒなどと対比させて分析している。

人は、不完全なものであり、光と影の部分があり、また虚偽の神話にも治療的意味がある。 それは、人の心を扱う精神療法家にもあり、光と影の部分を受け入れ、神話の力とも仲良くすることが大事ではないのかというのが、おおまかな主張だったように思えた。

代替医療や偽医療の問題として、それらにかかりっきりになったために、本来必要な治療が阻害され、場合によっては、死んだりするという事件が起こったりする。 真光元の次世紀ファーム研究所などの事例から、学ぶべきことはあるのではないかと思う。 そういう意味で、個人的には、本書で麻原彰晃と対比させて評価している事例のうちのいくつかは、その虚偽性の危険性に関してやや甘い書き方になっているような気もする。 もちろん、暴走の危険性についても、触れられているのだけれど。

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